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NWを拡張せずに仮想デスクトップを大画面化、富士通研が新技術を開発
(2015/4/28 15:06)
株式会社富士通研究所は27日、既存のネットワークインフラを増強せずに、仮想デスクトップを大画面化する技術を開発したと発表した。
現在、ものづくりの現場では、ワークスタイル変革を目的に開発製造業務への仮想デスクトップの導入が始まっているが、複雑化する製品の設計や解析をコンピュータが支援するCADやCAEの操作性向上のため、大画面化の要求が高まっているという。
今回開発した技術は、富士通が培ってきた高画質映像符号化技術を仮想デスクトップ画面の圧縮に適用し、画質を維持したままネットワーク帯域を削減できるようにするもので、こうしたニーズを踏まえて開発された。
これを適用すると、帯域を従来比で約2分の1まで削減できるとのことで、既存のネットワークインフラのまま約2倍のデータ転送が可能となり、仮想デスクトップ画面の大画面化、高精細化を実現する。
最適化に際しては、エンジニアリングで利用される画面の特徴に着目した。CADやCAEで描画される線画などを表示する仮想デスクトップ画面は、非常にシャープである一方、背景などの領域は完全に静止しているという特徴がある。今回の最適化技術では、ブロックサイズ、画面内予測方向などの最適符号化モード判定により、直線のシャープさを維持しつつ、動きベクトル探索の最適化によって、静止画領域での処理を大幅に簡略化している。
また従来は、転送する画像の中で静止画エリアと動画エリアを識別し、おのおのに適切な圧縮方式を用いることで転送データの圧縮を行っていたが、静止画と動画が頻繁に切り替わるとデータ量が増加してしまうという課題があった。この課題を解決するため、映像符号化と静止画符号化との間で、符号化後の画面を参照共有する機能を開発。これにより、CADやCAEの操作画面のように、転送する画面領域内で静止画と動画が頻繁に切り替わる際でも、切り替えのためのデータ量を削減できるとしている。
なお、これらの技術は、5月に出荷予定のエンジニアリングクラウド「FTCP Remote Desktop」に搭載される予定だ。