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聴覚障がい児の授業を支援する「こえみる」、先生の声を文字に

NTTソフトが開発・販売

 NTTソフトウェア株式会社(以下、NTTソフト)は、聴覚障がいのある児童生徒の授業を支援する「こえみる」を4月1日に発売する。音を文字にして電子黒板やタブレット端末に表示するもの。

 こえみるは、聴覚障害のある児童生徒のコミュニケーションを促進する為、先生が話した言葉を高度な音声認識技術を用いてテキストに変換し、電子黒板やタブレット端末にリアルタイムに表示するシステム。従来、手話で伝えにくかった言葉を伝えやすくできるだけでなく、先生が話す言葉の電子化・保存により、PC・スマートデバイスからの授業の振り返りを容易にする。

横須賀市立ろう学校の授業で利用している様子

 横須賀市立ろう学校の授業で実証研究を行い、実用化に向けて先生からの要望を反映して開発した。手話にない言葉、あるいは手話では伝えにくい「しとしと」「ぽつぽつ」といった擬態語や尊敬語・謙譲語など、児童生徒の理解までに時間がかかった言葉を、リアルタイムにテキスト化することで理解促進につなげる。

 従来、授業では学習した内容と文字を結びつけて確認してきた。その都度、板書するのでは授業の流れ中断されるため、事前に言葉を短冊に書いて準備しておくなど、授業を止めない工夫が必要だった。こえみるで先生の発話を自動的にテキスト化することで、こうした事前準備の時間も削減できる。

 また、授業の記録がすべて残るため、授業内容の振り返りも容易に。これまでできなかった、自宅での復習も可能になるという。

利用画面例

 提供形態はクラウド型・オンプレミス型SIの2種類。クラウド型の価格は月額1万2500円(税別)/教室。事前に体験できるトライアル環境を用意する。

 NTTソフトでは今後もこえみるの改善をすすめ、実際の教育現場へと提供範囲を広げる考え。

川島 弘之