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2014年国内サーバー市場、出荷額は大幅増のスパコンを除くとマイナス成長~IDC Japan

出荷台数もODM Directを除くとマイナス成長に

 IDC Japan株式会社は16日、2014年通年の国内サーバー市場動向を発表した。それによると、2014年の同市場規模は前年比1.7%増の4697億円、出荷台数は前年比0.4%増の57万台で、いずれも微増という結果になったという。

 分野別で見ると、x86サーバー、スーパーコンピュータは前年から出荷額を増やした。x86サーバーは、平均単価が上昇したため、出荷額も増加。円安による部材コストの上昇を販売価格へ転嫁したことに加え、サーバー集約による1台あたりのメモリなどオプション類の増加が背景にあると、IDC Japanでは見ている。

 スーパーコンピュータでは、「地球シミュレータ」や大学の大型更新案件の影響で、前年に比べ出荷額は大幅に増加した。一方、RISC&IA64サーバー(UNIXサーバー)、ビジネスサーバー、メインフレームはいずれもマイナス成長になっている。

 なお出荷台数では、ODM(Original Design Manufacturer)からクラウドサービスプロバイダなどのユーザー企業が直接サーバーを調達する、ODM Directが大幅なプラス成長を遂げているとのこと。

 IDC Japan サーバー マーケットアナリストの加藤慎也氏は、「2014年の国内サーバー市場における出荷額は、前年比で大幅増だったスーパーコンピュータの出荷額を除くとマイナス成長になる。出荷台数も、ODM Directを除いた台数では前年比でマイナス成長になる。すなわち、従来、サーバーベンダーがリーチしている企業向け市場は引き続き縮小している。サーバーベンダーは、ODMやODM Directを採用するグローバルなクラウドサービスプロバイダと、協業を進めていくか、対抗し得る勢力になって競合していくか、判断を迫られることになるだろう」とプレスリリースの中でコメントしている。

石井 一志