ニュース

マクニカが「MobileIron」採用、用途限定だった業務用iPhoneに自由を

 モバイルアイアン・ジャパンは12日、株式会社マクニカにEMM(Enterprise Moblity Management)ソリューションを導入した。マクニカは業務用iPhoneに全面採用し、Office 365やBoxなどのクラウドアプリ通信と統合認証をセキュアにする。

 マクニカでは、以前より従業員向けにiPhoneを支給していたものの、セキュリティの観点からメールとスケジュール、Boxへのアクセスのみに用途が限定。より生産性を高めるために、社外から社内システムへのアクセスを可能にし、業務目的に応じて最適なアプリを自由に使用できる環境整備が求められていたという。

 一方、2014年にiOSで「Per-App VPN」が実装される中、MobileIronはアプリ単位でVPNが使える「Tunnel」に対応。マクニカが導入したいと考えていたBox・Salesforce・Office 365・Lync・Outlook Web Appなどの各種アプリを起動時に自動でVPN接続することが可能だったため、採用を決定。2014年12月から導入を開始し、個々のシステムを一切変更せず、iPhoneからセキュアな社内システムへのアクセスを実現。すでに会社貸与iPhoneの約9割の移行が完了している。

 マクニカ IT統括部情報企画部の保持陽一郎氏は、従来のビジネス基盤を変えることなく、iPhoneから社内システムへアクセスできるようになった点を評価。「特にマネジメント層では、ノートPCを常に持ち歩くことなく、簡単・迅速にワークフローの承認処理ができるようになった」と語る。

 そのほか、MobileIronのチェックインを済ませるだけで、アプリや電話帳、無線LANの設定まで自動で配信できるキッティングの容易さや、アプリの認証をセキュアかつシンプルに実装できた点などが評価された。

 マクニカは今後、MobileIronのBYODへの導入や、AndroidやWindows端末への拡大を予定している。

川島 弘之