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患者のがん遺伝子解析で候補薬情報を医師へ提供、MKIがサービス開始

 三井情報株式会社(以下、MKI)は9日、患者のがん関連の遺伝子変異を解析することで、最適な治療薬候補を提供し、医師の診断決定をサポートする「OncoPrime(オンコプライム)」を発表した。4月から提供を開始する。

 がんの治療過程においては、さまざまな薬剤を使用する。その身体的および金銭的負担が大きくなるケースもあり、患者に大きな負荷がかかっている。MKIは以前より、個々の患者に適した治療を行いこれらの負荷を軽減する、遺伝子情報を活用した個別化医療の研究を進めてきた。

 今回提供開始する「OncoPrime」は、まずは京都大学医学部附属病院から検査を受諾し、がん組織からがんDNAを抽出して解析を行い、その結果をレポートとして医師にフィードバックする。医師はレポートに含まれる治療薬候補や国内治験情報などを診断決定の材料として活用できる。さらに検査を通して蓄積された臨床情報・遺伝子情報は、京大および同病院と協力し、がん治療に向けたさらなる医療研究にも活用するという。

サービスの全体図

 これは「日本で初めて、網羅的がん遺伝子解析を臨床ベースで導入するもの」(MKI)とのことで、原発不明がん・希少がん・標準治療不能のがん患者を対象として、まずは同病院と提携。今後は段階的に全国の医療機関とも提携し、3年間で1500件の検査実施をめざすとしている。

川島 弘之