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カメレオンが蔵書管理してくれる!? 町田市立図書館に新システム

 株式会社NTTデータが町田市立図書館の次世代図書館情報システムを構築。3月5日から提供を開始した。「カメレオンコード」と呼ばれるタグを資料に添付して管理を行い、「蔵書点検」と「セルフ予約棚」を実現している。

 カメレオンコードは、シフトが開発した、CMYK(シアン・マゼンダ・イエロー・ブラック)を使った次世代カラーバーコード。接写しなくても、画像の一部にカメレオンコードを入れて撮影するだけで、高速・高精度に、一度に複数枚を認識できるのが特徴。

 蔵書点検では、iPhoneアプリを使ってカメレオンコードが添付された資料を動画撮影することで、書架に資料が存在するかどうかを把握できる。定期的にカメレオンコードを読み取り、自動的に資料の棚位置をシステムに反映することで、リアルタイムでの蔵書管理が可能になるという。

蔵書点検システム読み取りイメージ

 セルフ予約棚では、資料がどの棚に存在するかを認識する仕組みを活用し、予約した図書の受け取りから貸出までをセルフサービス化する。予約コーナー入り口にある予約照会機に利用者カードをかざすと、利用者が予約しておいた資料の棚位置が印字されたレシートが発行されるので、利用者自身で予約本を見つけ、セルフ貸出機にて貸出処理を行う流れ。

セルフ予約棚利用イメージ

 これまで図書館における資料管理の高度化はRFIDが主流だったが、「内部損傷が外部から判別できず、正確な処理結果の確認が難しい」といった問題があった。一方でカメレオンコードは「認識コードの損傷があった場合にも視覚的にわかりやすい」という。また、プリンターで印刷するだけでコードの発行が可能なため、導入コストが抑えられる。

 今回の蔵書点検システムはスマホアプリとして実装されている。将来的には、利用者自身の携帯端末を用いたゲームイベントを行うなど、さまざまなサービスに応用が利くという。NTTデータはこのシステムを図書館をはじめ、公的機関や金融機関など膨大な資料管理が必要な分野に広げていく考え。

川島 弘之