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「2億回/秒の読み取り性能」、オラクルがOLTP DB「MySQL Cluster」新版

 日本オラクル株式会社(以下、オラクル)は2日、OLTPデータベース新版「MySQL Cluster 7.4」の一般提供を開始した。「1秒間に2億回の読み取り回数を誇り、可用性も強化された」としている。

 MySQL Clusterは、ACID(原子性、一貫性、独立性、永続性)に準拠したオープンソースのトランザクションデータベース。「リアルタイムのインメモリパフォーマンスと99.999%の可用性を提供できるように設計」(同社)され、通信事業者のサブスクライバー・データベースや、金融取引のグローバル不正検出に利用されているという。

 最新版では、開発プロセスの段階でユーザーが製品をプレビュー・テスト・フィードバックするプロセスに基づいて開発された。強化点としては、性能を大幅に向上。SysBenchベンチマークの結果、前版(7.3)と比べ、読み取りのみのワークロードで50%近く、読み取り・書き込み処理で40%近く上回った。

 性能の向上は、SQLまたはMySQL ClusterでサポートされるJava、C++、HTTP、Memcached、JavaScript/Node.jsなどのネイティブNoSQLのAPIによるもの。32データノードで1秒あたり2億回のNoSQL読み取り、16データノードで1秒あたり250万個近いSQL分の新記録を達成したとしている。

 内部にはインメモリテーブルを備え、複雑なアナリティクスやアドホック検索が関連するアプリケーション処理負荷も効率よく実行できる。複数データセンター間の高可用性のための新しい地理的冗長性機能も搭載。地理的に離れたクラスタ間での完全にアクティブ・アクティブなレプリケーションに対応するとのこと。

 そのほか、管理機能の向上として、新たなレポートやパフォーマンス調整オプションが追加された。オンライン・メンテナンス操作も高速化されており、例えばソフトウェアアップグレードは5倍速く実行できるという。

川島 弘之