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DNP、タブレット画面の“指さし”で訪日外国人の接客を支援するサービス

三越銀座店で試験運用中

 大日本印刷株式会社(DNP)と株式会社情報センター出版局は23日、タブレット端末家「DNP訪日外国人向け接客支援サービス Tap Style Inbound」の提供を開始した。タブレット端末の画面を“指さし(タップ)”しながら接客を行うもので、三越銀座店での試験運用に採用された。

 販売員のタブレット端末の画面に表示される会話のフレーズなどを外国人客にタップしてもらうことで、外国人客の目的のサービスや商品をインタラクティブ(対話型)に選択できる。フレーズの表示と同時に、ネイティブな発音の音声を再生することも可能。英語・中国語・韓国語・タイ語のほか、要望に応じて他の言語にも対応する。

 コンテンツは家電量販店・飲食・ホテル・運輸・銀行など18の業種に合わせた挨拶や、会計などの場面別想定問答からフレーズを選択し、必要に応じてレイアウトやページ構成をカスタマイズしながら制作できる。制作したコンテンツは、顧客企業の製品カタログや接客マニュアルなどとともに、クラウド上のCMSから各タブレット端末に配信される。それに応じて各端末のコンテンツが自動的に更新されるため、最新版の管理が確実に行える。

 また、タブレット端末の操作ログを自動的にサーバーで収集。蓄積したログをグラフなどで可視化して分析することで、現場の課題を抽出してサービス向上のための継続的な改善につながるとしている。

 特長としてはこのほか、多言語間のコミュニケーションコンテンツ「指さし会話」を提供する情報センター出版局の協力で、「旅の指さし会話帳」や「指さしオンデマンド外国人観光客対応接客会話サービス」のノウハウを活用した実用性の高い想定問答を用意する。DNPはグループの販促支援などを通じて培った制作ノウハウを活用し、現場の販売員が使いやすいUIを備えたコンテンツを実現する。

 価格は「1カ国語対応ライトプラン」が初期費用150万円から、「4カ国語対応ベーシックプラン」が300万円から。月額費用はいずれも3万円から。

 なお同サービスについては、2月中旬から三越銀座店で試験運用として採用されている。東京・銀座にある同店は特に訪日外国人の来店が多く、多言語ではなせる人員の配備など、外国人客向けサービスの拡充を積極的に進めているところだ。

 DNPは今後も訪日外国人向けサービスのラインアップを充実させる考え。今回の新サービスを流通・小売店、飲食店、旅館・ホテル、病院、公共施設、アミューズメント施設などに提供し、関連製品も含め、2016年までに10億円の売り上げをめざす。

川島 弘之