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ゼンリンデータコムとドコモ、自律航法による屋内ナビ技術を開発

スマホのモーションセンサーで歩行状態を可視化

 株式会社ゼンリンデータコムと株式会社NTTドコモは19日、スマートフォンに搭載しているモーションセンサーによる歩行者自律航法(以下、自律航法)技術と地図情報を活用したルートマッチング技術を組み合わせた、新たな屋内ナビゲーション技術を開発したと発表した。

 同技術では、歩行者の動きを検知するために、スマホに搭載されたモーションセンサーから取得した情報を、自律航法技術を使って複合的に解析。利用者の動きを目的地までのルートに合わせた最適な位置に補正するルートマッチング技術と組み合わせて、屋内ナビを実現する。

 GPS測位が困難な屋内環境で、Wi-FiやBLEビーコンが設置されていない場合においても、屋外・屋内間の移動時のナビを継続して利用することが可能となる。

 具体的な特長は、スマホ搭載のモーションセンサー(加速度・地磁気・ジャイロ・気圧センサーなどを活用)を活用した自律航法技術を使うこと。測定したセンサーデータを独自開発の解析プログラム上で処理することで、利用者が直進している、角を曲がっている、階段を昇っているなどの歩行状態が検知できる。また、スマホの保持状態を適切に管理し、スマホの画面を見ている状態だけでなく、スマホを持った手を振っている状態、スマホをポケットやカバンに入れた状態でも高精度な測位を実現するという。

 また、地図情報を組み合わせることで、自律航法に最適化したルートマッチングを行う。自律航法で検知した実際の歩行状態に応じて、推定する現在位置を適切な位置に補正するほか、気圧センサーにより階段・エスカレーター・エレベーターによる昇降も検知。フロアマップを階数に応じて自動的に切り替えるなど、屋内外やフロア間のシームレスなナビが可能になるという。

「地図アプリ」屋内ナビゲーション利用時のイメージ

 同技術は、ドコモが提供している「ドコモ地図ナビ powered by いつもNAVI」の拡充機能として、2015年4月以降に提供する予定。地下街と駅構内を合わせて全国約320カ所の屋内ナビが可能となる。利用料は月額300円(税別)。

川島 弘之