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Wordで作成されたテスト教材を電子化、DNPがシステム開発
「正誤」に加えて「解答プロセス」も動画で分かる
(2015/2/5 16:30)
大日本印刷株式会社(DNP)は、学校の授業で使用する紙の小テストを、タブレット端末用教材として活用できる、学校向けデジタルテストシステム「AnswerBoxCreator」を開発した。ダイワボウ情報システム株式会社などから2015年3月から販売される。価格はオープン。
既存の小テストの多くは、教師がWordで作成しているため、マイクロソフトと協力し、Wordで作った小テストをタブレット端末用のデジタルテストに変換できるようにした。使い方は、教師がWordで自作した教材に、自身の端末で配点・正答などを設定してデジタルテストを作成し、生徒のタブレット端末に配布。生徒は手元のタブレット端末でテスト問題に直接解答。解答内容は、解答までの記述プロセスまで含めてWord形式で保存され、教師に提出される。教師は回収した解答を端末上で集計し、生徒ごとの合計点や問題ごとの正答率や解答時間をExcel形式で確認できる。
特長としては、自動採点の難しい記述問題についても、教師による採点機能を持たせることで、選択問題では測れない詳細な理解度を把握できる。また、動画再生機能で答えを記述していく過程も把握できるため、生徒がつまずいた箇所が分かり、より細やかな指導につなげられるという。生徒の回答例を電子黒板に投影すれば、授業素材としても使用可能だ。
生徒の解答は、タブレット端末に直接答えを入力するほか、専用紙にプリントされたテストにデジタルペンで記入することも可能。教師の端末では全員分の解答を一覧できる。日々の学習状況をデータとして管理できるため、指導内容と学力の関係を振り返ったり、学習状況に基づいた生徒の評価にも利用できるという。
また、教師自作の小テスト以外に、自治体や教材会社が作成した教材にも適用できる。
同システムは福岡県の県立高校で採用が決定したほか、全国十数校の公立小中学校で具体的導入を想定した実証実験を3月に行う予定。啓林館(啓林館DB)、数研出版、教育出版など複数の教材会社が、同システムに対応した小テスト教材を学校に提供する。併せて、自治体が保有する独自教材も実験に使用し、各自治体の生徒・児童の学力傾向も把握する計画。
その後はタブレット端末導入済み・導入予定のある学校や自治体を中心に、2015年度で1500校への導入をめざす。