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母子健康情報をいつでもどこでも閲覧可能に、前橋市とMTIがモニター実施

2016年4月のサービス実用化めざす

 女性の健康情報サイト「ルナルナ」を運営する株式会社エムティーアイ(以下、MTI)は2日、群馬県前橋市をはじめとする7自治体が取り組む「ICTしるくプロジェクト」において、妊産婦や子育て世代に向けた母子健康情報サービスの実証事業を開始した。

 ICTしるくプロジェクトは、2015年10月から全国民に通知されるマイナンバー制度を活用し、主に教育・医療分野で便利なサービスを市民に提供する取り組み。詳細はこちらの記事でお伝えしたとおりだが、内容の1つとして、行政が保有する妊産婦・乳幼児・小学生までの健康情報をクラウドに集約し、「母子健康情報サービス」や「電子お薬手帳」として、スマートデバイス・PCで閲覧できるシステムの開発を進めていた。

「ICTしるくプロジェクト」実証イメージ

 今回、そのシステムが完成し、前橋市のほか、沼田市・渋川市・藤岡市・富岡市・吉岡町・榛東村の7自治体において実運用をめざし、新たにモニター検証を実施することとなった。MTIは、マルチデバイスで利用できる母子健康情報サービスを提供し、「母子健康手帳や小中学校の成育記録の情報提供」「マイナンバーカード連携による官民相互データ活用」「緊急時利用システムとの連携」の実現に向けたモニター検証を行う。

 MTIが提供する母子健康情報サービスは、妊産婦や子ども健康データをサイト上で一元管理できる機能を備えるほか、さまざまな役立つ知識・情報をスマートフォンなどでいつでもどこでも簡単に閲覧可能。主な機能として、「胎児や子どもの成長を記録・グラフ化」「予防接種の管理・リマインダー通知」「子どもの健康情報管理・日記機能」「健康診断情報管理」を備え、データを家族(父親)間で共有したり、いざというときに救急隊がサイト上にある必要な母子健康情報を確認できるような「データ共有」も可能にする。

 モニター検証では、妊娠中または子育て中の女性およびその家族の約40名に、自治体からタブレットを貸与し、将来のマイナンバーカード利用を見越して、地域の病院・保育所・幼稚園・小学校と健診データを連携させたり、妊娠・出産・子育てにおいて各自治体が母子をサポートできる環境を整えることで、子育て支援を推進するという。

 検証期間は2月2日~3月31日。検証自治体は前橋市・沼田市・渋川市・藤岡市・富岡市・榛東村。モニター人数は約40名。MTIは、長年ヘルスケア分野で培ってきたノウハウを生かし、自治体と妊婦・子ども、その家族をつなぐ新たな健康観李ツールとして、マイナンバーカードの運用が本格化する2016年4月の正式導入をめざすとしている。

川島 弘之