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1PB以上のデータを持つ企業ではSDSの認知度が上がる~IDC Japan

 IDC Japan株式会社は22日、2014年 国内Software-Defined Storageの需要動向分析を発表した。IDCでは、Software-Defined Storage(SDS)を「容易に入手可能な(カスタマイズされていない)コンポーネントによって構成されたコモディティハードウェアを前提とし、その上に搭載されたソフトウェアスタックによってストレージ機能のフルセットを提供するプラットフォーム」と定義。その上で、国内SDS市場の需要動向をユーザー調査に基づいて分析している。

 具体的には、SDSに対する認知度、将来の利用意向、選択の条件、期待するメリット、価格感度などの設問を通して今後の需要を予測。あわせて市場開拓に必要な留意点についての分析を行った。

 その結果、従業員規模で認識の度合いに多少の差はあるものの、SDSをよく知るユーザーの割合は非常に少ないことがわかったという。ただし、保有するデータ量別に集計した結果をみると、1PB以上のデータを保有しているユーザーでは「使用している」という回答を含め、認識が高くなることも明らかになった。

 なおIDC Japanでは、「SDSにはオープンソースソフトをベースにするものも多く、オープン性によって他のシステムとの相互運用が容易な場合が多いので、新しい提案が生まれやすいと考えられる」という点を指摘。ユーザーがSDSの採用意義を理解しやすいような革新性、例えば運用性や拡張性における差別化が訴求でき、有益性を感じさせるパッケージングが可能かどうかによって普及の速度が変わると考えている。

 またIDC Japan ストレージシステムズ リサーチマネージャーの鈴木康介氏は、「SDSに対する一般ユーザーの認知はまだ低く、ストレージ業界、ベンダー側の活発な動きとは対照的な状況」とするものの、「テクノロジーの進化過程から考察するにSDSにはアーキテクチャやビジネスモデルの観点で有利な面があり、市場に定着するのは間違いない」と分析。

 さらに、現在の国内市場ではデファクトスタンダードの地位を占めるがなく、今後競争が激化するが、製品単体の成熟度ももちろん、いかに有力なエコシステムを形成できるかが成功の度合いを左右するのではないか、と予測している。

Software-Defined Storageに期待する使用メリット n=688、複数回答(出典:IDC Japan)

石井 一志