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川崎市で子育て支援の実証実験、イベント・スポット情報をスマホへ配信

 富士通株式会社は、川崎市麻生区にて子育て支援アプリの実証実験を1月6日から開始した。位置情報を管理する「SPATIOWL(スペーシオウル)」と、子育てにかかわるイベントやおでかけスポット情報を管理するオープンデータ(Linked Open Data:LOD)を連携させ、スマホで情報を受信するためのWebアプリ「子育て支援アプリ」を開発。利用者が知りたい情報をタイムリーに情報発信する仕組みとその効果を検証する。

 川崎市では、スマホを使った市民への情報発信のあり方や、増加する子育て世代への支援充実が課題となっている。麻生区では特に「子育てイベントの情報がどこで入手できるのか分かりにくい」「授乳やオムツ替えが可能な施設を効率的に探せない」といった声が寄せられる一方、区役所やボランティア団体で発信するイベント情報を取りまとめる事務作業が繁雑になっていたという。

 こうした背景から、2015年1月6日から2015年2月28日まで、麻生区にて子育て支援アプリの実証実験を行う。位置情報を管理する「SPATIOWL(スペーシオウル)」と、子育てイベント・おでかけスポットなどのモノ・コト情報を管理するLODを連携させたシステムおよびAPIをクラウド環境に構築し、APIを活用する子育て支援アプリを開発。

子育て支援アプリ(Webアプリ)の画面イメージ

 子育て支援アプリは、子育てイベントを効率的に検索することが可能で、イベントのカテゴリ・開催地区・事前登録した子どもの年齢などに応じた、利用者ごとに最適なイベントが探せるという。

 おでかけスポットについても、授乳やおむつ替えスペースなどの設備の有無による絞り込み検索や、現在地および事前登録地点から近い順での並び替え表示などで、子どもと一緒に気軽に行けるスポットが探せる。そのスポットで開催されるイベントを把握することも可能という。

 一方、区役所やボランティア団体にとっては、情報のとりまとめが容易に。子育てイベント情報をシステムに登録するとデータが自動でLODに変換され、開催場所の位置データとひも付けて管理できるほか、登録されたデータは随時子育て支援アプリに反映されるため、これまでWebサイトなどの媒体にまとめて掲載していた手間が省けるという。

 麻生区では実証実験のモニターを募集中。対象者は、麻生区の子育てイベントや関連施設を利用している保護者など。子育て支援アプリを利用し、簡単なアンケートに協力することが条件となる。川崎市のモニター登録サイトに必要事項を入力して応募できる。

川島 弘之