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KUMON、全世界の教室や学習状況のデータ分析に「QlikView」採用

 株式会社公文教育研究会(以下、KUMON)は、新基幹システムの経営コックピット用分析プラットフォームとして「QlikView」を採用した。同製品を取り扱う株式会社アシストが10日、発表した。

 1955年の教室開設以来、世界48の国・地域で学習塾をフランチャイズ展開するKUMONは、北米/南米/アジア・オセアニア/中国/ヨーロッパ・アフリカに地域本社を構えており、地域本社ごとに個別のサーバーを設置し、独自のシステムを運用していた。そのため、KUMONグループ全体で共通のシステムやデータがなく、日本の本社が各地域の詳細を把握できないといった課題を抱えていたという。

 そこで、世界のすべての教室や生徒の学習情報、指導者情報を統合し、情報の保護・管理・活用を可能にするデータベース構想が「KiDS(Kumon Information Database System)」プロジェクトとしてスタートし、全世界のIT統括部署として新設された「グローバルICT戦略室」の下で、実現に向けて舵が切られた。

 その分析プラットフォームとして連想型インメモリBIツール「QlikView」を採用。KPIレポートとして、学習者数・教室数・継続率・学習進度などの国別クロス集計表を瞬時に把握したり、世界地図上の散布図を見ながらエリアを絞り込み、各教室の明細までドリルダウンしたりするなど、経営コックピットとして活用する。

 グローバルで427万人に上る学習者(2014年3月末現在)の膨大なデータもレスポンスよく検索・分析できるほか、ユーザーごとに閲覧・印刷・ダウンロードの利用権限も設定できる点も評価した。KUMONでは、QlikViewのデータ・アナリティクス機能に加え、アシストの研修サービスやドキュメント開発などの導入支援メニューも活用しながら、短期構築・グローバル展開を実現するという。

 KiDSは、2014年8月にアメリカ/カナダ/メキシコの3カ国でカットオーバーし、続いて10月にイギリスで利用が開始された。今後、世界の各拠点に展開することで、将来的にはKUMONグループ全体の事業への貢献が期待されるという。

川島 弘之