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NECフィールディング、補修用部品の需要予測にビッグデータを活用

出荷頻度の高い部品の在庫を約2割削減

 日本電気株式会社(NEC)とNECフィールディング株式会社は12日、NECのビッグデータ分析技術「異種混合学習技術」を活用し、NECフィールディングが保有する補修用部品の需要予測に関して、実証実験を実施したと発表した。この結果、高精度な予測により、出荷頻度が高い部品の在庫を約2割削減できることを確認したという。

 NECフィールディングでは、コンピュータやネットワーク機器の保守サービスを手掛けており、約14万品目におよぶ補修用部品の在庫を保有している。このうち、プリンタの駆動系部品やPC/サーバーのHDDなど、出荷頻度が高い部品(年に十数個以上出荷されるもの)の約1万品目については、在庫切れ防止のため、一定量の保有が必要とされているという。しかし、過剰在庫に陥るリスクもあることから、適正な在庫の確保のために、将来の部品需要を高精度に予測することが重要になっていた。

 そこで両社は、出荷頻度が高い補修用部品を対象に、ビッグデータに混在する多数の規則性を自動で発見する「異種混合学習技術」を活用し、需要を予測する実験を行った。実験では、過去14カ月間における、月ごとの部品の出荷数・稼働台数、発売時からの経過月数といったデータを基に、将来の部品の需要量を予測している。

 その結果、高精度な予測を実現するとともに、予測に基づいて在庫量を最適化することで、出荷頻度の高い補修用部品の在庫を約2割削減できることが確認された。

 NECフィールディングではこうした結果を受けて、2014年度下期から、出荷頻度が高い補修用部品に関する需要予測の取り組みを、実業務において運用開始する。需要量は現在から4カ月先までを予測するが、部品の生産終了から保守停止までの必要購入数を予測する、EOL品の需要予測の実証実験を実施するなど、今後もさらなる部品の在庫削減を目指すとした。加えて、他社メーカーの保守業務の受託サービスにおいても本需要予測を活用し、サービス事業の拡大を推進するという。

 一方のNECは、実証実験の結果を生かした補修用部品需要予測ソリューションを製品化し、製造業を中心に2015年度から販売開始する予定だ。

石井 一志