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日立システムズ、マルチベンダー対応のSDN環境を構築するサービス

米Anuta NetworksのSDN管理ソフトを利用

 株式会社日立システムズは22日、ネットワークの可視化と運用効率を向上する「SDN管理サービス」を同日から提供開始すると発表した。米Anuta NetworksのSDN(Software Defined Networking)管理ソフトウェア「Anuta NCX」を活用し、ネットワークの導入から構築、運用までをトータルに提供する。

 このサービスは、従来の「NETFORWARD ネットワーク仮想化サービス」を強化したもので、多拠点・大規模なネットワークを管理する企業に向け、既存のネットワーク設備を変更せず、ソフトウェアによりネットワークの構成管理、設定、制御を行うSDN環境を提供するという。

 具体的には、Anuta NCXを活用し、スイッチやルータ、ファイアウォール、ロードバランサー(負荷分散装置)などの既存ネットワーク機器が稼働する環境において、仮想サーバー上の仮想スイッチも含めて構成を可視化し、ソフトウェアでの管理・制御を実現するとのこと。

 ネットワーク機器は、Openflow対応非対応を問わず対応できるので、新たにネットワーク機器を入れ替える必要はない。また従来のネットワーク構築では、新たな機種を導入する都度、ベンダーごとに異なる設定を人が学習して手動で設定していたが、Anuta NCXは、さまざまなベンダーの設定を自動生成するため、専門技術者に依存することなくネットワーク設計を行えるメリットもある。

 利用にあたっては、グラフィカルな画面からアイコン操作によりネットワーク構成図を作成。利用業務別、内部・外部・DMZセグメントなど、管理しやすい単位でグループ化し、カタログとして登録する。構成変更を行う場合は、該当のカタログを選択し、修正を加えて実行ボタンを押すと、関連するすべてのネットワーク機器に対して自動的に設定が反映される仕組みだ。さらに、ネットワーク構成図を作成する際の不整合チェック、承認プロセスを反映した設定許可機能なども備えており、ヒューマンエラーによる事故の抑止効果も期待できるとした。

 一方で、可視化機能を利用すると、キャパシティの状態や発生中のトラブルに関する影響範囲を即座に把握することも可能。ネットワークの可用性、信頼性の向上につなげられる。

 ベンダー(ブランド)は、スイッチがApresia、AlaxalA、Arista、Brocade、Cisco、Dell/Force10、HP、VMware(vSwitch)。ファイアウォールがCheck Point、Cisco、Fortinet、Juniper、Palo Alto。ロードバランサーがCisco、Citrix、F5、Radware、Riverbedのそれぞれの製品に対応している。また、対応ベンダーは今後も拡充される予定。

 なお日立システムズでは、このサービスをはじめとする「NETFORWARD ネットワーク仮想化サービス」を、多拠点・大規模なネットワークを管理する企業や、クラウドサービス事業者、データセンター事業者などに拡販する考えで、今後は、同社のデータセンターを利用したクラウドサービスとしての提供も予定している。

石井 一志