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日本IBM、災害対策クラウドサービスの価格体系を刷新

 日本IBMは8日、短期かつ低コストで事業継続を支援する災害対策向けクラウドサービス「IBM BCRS Cloud Virtualized Server Recovery(VSR)」の機能を拡充し、より顧客の環境に適合した価格体系で、9月末日より提供する。

 同サービスは、災害対策におけるサーバーの2重化や2センター化について、自社で資産を持つ必要がなく、クラウド環境を利用して短期かつ低コストでDRサイトを構築できるもの。データ保全から切替テストまで備えた高度な災害対策を、顧客のプラットフォームを意識することなく、管理ポータルから複数のプラットフォームに対して同一手順で実現できる。x86サーバーに加え、基幹システムに多数採用されている「IBM Power Systems」にも対応したことで、基幹業務におけるクラウド活用を実現する。

 事業継続に必要となるデータ複製・切り替え・切り戻し・切り替えテストなどはすべて標準化されたサービスとして提供。IBMのセンターに事前に準備したシステム環境を利用するため、顧客はネットワークに接続するだけでサービスを利用可能。短期に災害対策を実装できるという。

 今回、価格体系を見直し、従来のパターンによる価格の設定ではなく、基本構成に対して必要なCPU・メモリを追加できる設定となった。これにより、顧客のシステムに適応したより柔軟な選択が可能となる。同社は「クラウドへの大きな期待の1つであるコスト最適化が実現され、大規模構成の場合には、約15%のコスト削減が見込まれる」としている。

 価格は、資源を被災時に割り当てるため経済的な価格の「シルバー」と、資源を事前に確保するため迅速な回復に対応する「ゴールド」の2種類がある。「シルバー」を利用した場合、月額2万7000円(税別)から。なお、9月30日までに契約した場合、通常1システムあたり標準25GBのストレージを100GBまで同一価格で提供するキャンペーンも実施する。

川島 弘之