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デル・ソニックウォール、メールセキュリティ市場へ本格参入

デル ソフトウェア事業本部 セキュリティソフトウェア本部長の藤岡健氏

 デル・ソニックウォールは8日、ビジネス戦略説明会を開催した。特筆点として、新たに「Dell SonicWALL Email Security 8.0」を発売し、メールセキュリティ市場に本格参入するという。

 デル ソフトウェア事業本部 セキュリティソフトウェア本部長の藤岡健氏によると、2014年度は「得意とするSMB市場でUTMやリモートアクセス製品が20%台後半の成長を遂げた」。また、デルとの統合によりソニックウォール時代には踏み込めなかった中堅・エンタープライズ市場でも、教育市場を中心にSuperMassiveなどの導入が加速。デル顧客へのクロスセルも浸透し始めているという。

 今後のビジネス戦略でも、デルとの統合による相乗効果を重視し、SBM市場に向けてはチャネルビジネスをさらに活性化させ、中堅・エンタープライズ市場にはデル顧客へのクロスセルをさらに浸透させる。そのために正規代理店への支援や新規代理店の開拓に努めるという。

 こうした取り組みと同時に、8日付けで「Dell SonicWALL Email Security 8.0」を日本市場へ投入し、メールセキュリティ市場に本格参入する。

 Dell SonicWALL Email Security 8.0は、送受信されるメールをスキャンし、業務ルールを適用、添付される不正プログラムやスパムメール・フィッシングなどの被害を防ぐもので、「メール暗号化」や「DMARCによる高度ななりすまし防止」といった機能を特徴とする。アプライアンス版、既存ソニックウォール製品へのアドオン、マネージドサービスといった提供形態を取り、価格はアプライアンス版・1000ユーザーの場合で約60万円。「他社のおよそ半額」(藤岡氏)という。

 日本では2005~2007年にかけてスパムメール急増を背景にメールセキュリティ製品の導入が進んだ。現在そのリプレース時期が訪れているとのことで、デル・ソニックウォールは「破壊的な価格かつワンボックスで提供する」点を武器に、その刈り取りを狙う方針。

 国内メールセキュリティ市場は約77億円(日本ネットワークセキュリティ協会調べ)。同社は初年度にこのうち2億円の売上を目標とし、最終的にはマジョリティを目指す考えだ。

川島 弘之