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ネットアップ岩上社長が2015年度の事業戦略を説明、、「3年で国内の売上高2倍を堅持」

 ネットアップ株式会社は3日、2015年度(2015年4月期)の事業戦略に関する、岩上純一社長の記者会見を開催。2014年度(2014年4月期)からの3年間で売上高を2倍にするという期経営目標を堅持することを、あらためて表明した。

 この目標を達成するために、年間20%の成長を掲げている岩上社長だが、昨年度の売上高は前年比19.5%増を達成し、ほぼ目標通りの数字を上げたという。また、次世代のストレージとして期待しているclustered Data ONTAPのクラスタ構成が、国内で250ノード導入されたほか、クラウドやモバイルを初めとする第3のプラットフォーム、フラッシュストレージなどでも順調な成長を見せているとのこと。これらの好調ぶりもあって、IDC Japanの国内ディスクストレージシステムの出荷容量シェアで、2013年の1位を獲得したという。

岩上純一社長
前年度の結果

 今後の戦略については、まず「お客さまフォーカスの継続」を注力ポイントとして挙げた。単なる器としてのストレージを提供するのではなく、その顧客ごとの要件に応えていくということだが、岩上社長はその例として、業種・業態に特化したアプリケーションに注力すると説明。「ディザスタリカバリなど共通するものもあるが、例えば金融やテレコムではVDI、製造では3D CADやCAEといったソリューションを提供する」と述べた。

 これ以外では、「クラウド連携ビジネスの強化」も柱の1つ。ネットアップのソリューションを利用した国内のサービスプロバイダが21社まで増えたほか、Amazon Web Services(AWS)とのソリューション連携、Ciscoと共同提供しているプライベートクラウドソリューション「FlexPod」など、各領域でソリューションをそろえ、ニーズが強まっているクラウド領域での存在感をさらに増やしていく考えだ。

エンタープライズアプリケーションへフォーカス
ネットアップのクラウド戦略

 また、ビジネス拡大にあたっては、パートナーとの協力も欠かせない。サービスプロバイダやSIerに向けた専門組織を強化する一方で、新規のソリューションパートナーとの協業も進めるという。この“新規”とは何か、ということについて、岩上社長は「SANソリューションの強化だ。『ネットアップはNAS』という先入観が強いものの、米国では、もう出荷の4割がSANである。フラッシュのポートフォリオもSANベースで出てくるし、そのエリアにどんどん入っていく」と述べ、国内ではまだ1割程度にしかすぎない、SAN領域でのビジネス拡大を図る考えを示した。

石井 一志