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NSSOL、スマートグラスの現場利用を促進する導入検証サービス

 新日鉄住金ソリューションズ株式会社(NSSOL)は9日、スマートグラス(めがね型情報端末)の現場利用を推進する導入検証サービスを開始した。

 製造現場などにおいては現在、現場作業者の情報活用を促進するため、タブレット端末の導入が進んでいる。しかし、タブレット端末を利用する際には「手がふさがる」「手袋を使用すると画面操作ができない」といった課題があった。そこで注目されるのが、国内外で製品化が進んでいるスマートグラス。作業者がハンズフリーのままで、付属するディスプレイ、カメラ、センサー、GPSなどの機能を活用し、各種情報を表示・確認しながら作業できるのではと期待されている。

 NSSOLはこれまでAR(拡張現実)技術とスマートグラスの現場利用に向けた研究開発および実証実験を進めてきた。これらの成果と知見を「AR拡張現実ソリューション」としてまとめ、スマートグラスの現場利用に向けた各種アプリ・サービスを提供する。

 第1弾として、国内・海外に展開する製造現場などとのより緊密な情報連携が求められるケースを想定して、現場作業者と離れた場所にいる作業支援者間での作業指示や作業状況の確認を円滑にする「遠隔作業支援アプリケーション」を開発。

 この「遠隔作業支援アプリケーション」を同社のクラウド基盤「absonne」上の検証環境から提供し、スマートグラスの現場利用に向けた概念実証(PoC:Proof of Concept)を実施する「導入検証サービス」を開始する。

 同サービスにより、スマートグラスを導入する前に「どうすれば業務に役立つか」「どうすれば業務を効率化・高度化できるか」などの視点での検証が可能となり、対象となる現場業務への適合性評価、必要となる機能や技術要件の確認、各種スマートグラスの評価などを行えるという。

 具体的なメリットとしては、「ハンズフリー(両手が自由)・アイズフリー(端末画面に目線を移動しない)による作業の効率化」「初心者に複雑な作業手順を順序立てて提示し、その場で作業の誤りなどを指摘できる」「映像を利用して作業状況をリアルタイムに把握し、遠隔地の作業者へ音声のみでは伝えにくい内容も具体的に指示できる」「カメラ・位置・センサー情報を活用し、作業記録の自動化・効率化」「熟練者の目線から作業を撮影し、体験共有による技術伝承」などを挙げている。

 NSSOLは同サービスを通じて、製造・物流・流通・社会インフラなどの各業界における設計・製造・物流・販売・保守・点検サービスなどに、タブレット端末やスマートグラスを活用する現場作業支援アプリ・サービスの提供を推進する考え。

川島 弘之