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IPアドレスとドメイン名を統合管理する「BlueCat」、ジェイズが国内販売

David Jones氏

 加BlueCatが24日、日本市場への参入を発表した。IPアドレス管理(IPAM)製品を手がけるベンダー企業。日本法人を設立し、ジェイズ・コミュニケーション株式会社(以下、ジェイズ)と国内代理店契約を締結した。

 IPAMは、企業全体のIPアドレスとドメイン名(IP/DN)を統合管理し、DNS/DHCPサービスを一括制御するシステム。この2点を分離されたアーキテクチャとすることで、スケーラビリティやセキュリティ、コンプライアンスの要件を満たす。日本ではまだ馴染みのない分野だが、海外では銀行、リテール企業、病院、郵便局、ソフト企業、エンジニアリング企業など幅広い業種で導入。「金融業で60カ所のDNS/DHCPサーバーを1台のIPAMで管理し、アプライアンス数を60%削減した例や、小売業で世界の全店舗・倉庫とデータセンターの統一IP空間管理を実現したような大規模事例も存在する」(BlueCat Japan and Asia Pacific Managing DirectorのDavid Jones氏)という。

 なぜ、IPAMが必要とされるのか。Jones氏は「企業のIP/DNはスプレッドシートなどで個別管理されているのが現状。また、その管理はネットワークチーム(IP)とサーバーチーム(DN)に分かれていることが多い。インターネットに接続する仮想マシンやデバイスが急増・多様化する昨今、IPの誤った割り当てやDNSの侵害によるリスクが高まっている」のだという。

 製品は、IP/DNの統合データベースとなる「BlueCat Address Manager」と、その情報に基づいてIPを払い出しする「BlueCat DNS/DHCP Server」などで構成される。IP/DNをひも付けた形で統合管理し、どの端末がどのIPを保持しているかなど利用状況を正しく把握することで、ネットワークの透明性を高める。誰がどの端末でどのIPアドレスを利用しているかも分かり、アクセスコントロールなども可能になるという。

BlueCatアーキテクチャ
製品構成

 今回、日本法人を設立し、ジェイズと国内代理店契約を締結したことで、日本でも市場開拓を進める。2014年内に日本語版をリリースする予定で、ジェイズのパートナー経由で販売するほか、BlueCat Japanからハイタッチ営業も行いながら、IPAMの価値の理解を深める。

愛須康之氏

 ジェイズ代表取締役社長の愛須康之氏は「共同でマーケット開拓から始める。今後、世の中はIoTの時代に入る。膨大なIPアドレスが消費されるほか、IPv4/v6の混在という管理効率を下げる状況も生まれる。いかにIPアドレスを管理するか。今までのスプレッドシートでのマニュアル管理では到底追いつかず、システム的に管理する必要性を広めたい」と意気込みを語った。

川島 弘之