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エンバカデロ、マルチデバイス向けに特化した開発プラットフォーム「Appmethod」

 エンバカデロ・テクノロジーズ(エンバカデロ)は21日、マルチデバイス向けアプリケーション開発プラットフォーム「Appmethod」を販売開始したと発表した。自社の開発ツール「Delphi」および「C++Builder」の機能を、マルチデバイス向け開発向けに絞り込み、再構成して提供する。

 Delphi、C++Builderおよび、これらの製品を含むスイート製品「RAD Studio」といった従来の開発環境では、購入時に必要な機能を決めて、製品エディションを選ぶ必要があった。また、すぐにバージョンが変わっていくモバイルデバイス向けOSに対応するため、開発ツール側でもひんぱんにバージョンアップする必要があったという。

 Appmethodでは、この点を考慮し、年間サブスクリプションモデルを採用することで、契約期間中にリリースされる新バージョンを追加コストなく使えるようにしたほか、必要とするプラットフォームだけを契約すればよいため、マルチデバイス開発におけるツールのコストを抑えられるとのこと。

 さらに、データベースやクラウドサービスなど、企業のバックエンドシステムへの接続機能を「エンタープライズモビリティサービス」オプションとして提供している点もメリット。これらのサービスは従来、Enterprise版以上のエディションに含まれていたが、追加オプションとして利用可能にしたことで、あらかじめ開発する可能性のある機能を含む製品を購入するのではなく、これらの機能が必要になったときにコストを支払えるようになっている。

 なお、CPUで直接実行されるネイティブコードによってマルチデバイスへの対応を実現している点も、Delphi、C++Builder、RAD Studioと同様で、デバイスの性能を100%生かしたセキュアなアプリケーションを構築できるとした。

 また、コンポーネントと呼ばれるプログラム部品をドラッグ&ドロップして開発する「ビジュアルRAD」と呼ばれる手法によってアプリケーションを作成するため、記述しなければならないコード量は、従来の開発手法と比較すると、およそ5分の1に削減可能。さらに、一度開発したアプリケーションコードは、他のデバイス向けにも、そのまま、あるいはわずかな修正で利用できることから、複数デバイスへの対応についても効率化できるとしている。

 価格は、1開発者・1プラットフォームあたり、個人ユーザーの場合で年間3万4000円(税別)。企業ユーザーの場合で年間11万円(税別)。エンタープライズデータアクセス、データストレージ、クラウドサービスアクセスといった「エンタープライズモビリティサービス」は、これらのサービスを利用するデバイス数によって課金される。

石井 一志