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富士通、モバイル端末から利用しやすくなったメインフレーム新製品

 富士通株式会社は3日、新たに開発したプロセッサを搭載したメインフレーム大型機「FUJITSU Server GS21 2600モデルグループ」、および中・大型機「FUJITSU Server GS21 2400モデルグループ」を発売した。新モデルに対応したソフト「FUJITSU Software GSS21sx」も併せて提供開始する。

 新モデルでは、「システム・オン・チップ」の採用により、処理能力を従来比最大約40%向上、消費電力を最大約50%低減、設置面積を約70%縮小した。「システム・オン・チップ」は、最大8個のCPUコアのほか、最大24MBの二次キャッシュメモリ、I/Oプロセッサ、メモリコントローラー、システムコントローラーを実装した1個のLSI。スケーラビリティを向上し、仮想I/O数を大幅に拡大したことで、構築可能な仮想マシン数を5倍程度に引き上げている。

「システム・オン・チップ」構成

 ソフト面では、新ソフト「GSS21sxデータ活用パック」により、オープンサーバーから標準インターフェイスのSQLでGS21シリーズのネットワークデータベースおよびリレーショナルデータベースへ直接アクセスできる機能を提供する。これにより、基幹アプリケーションを開発・実行するサーバーの選択肢が広がるという。

 スマートデバイスからGS21シリーズを利用するためのオープンサーバー用ソフト「FUJITSU Software WSMGR for Web(以下、WSMGR for Web)」に、新たにGUIカスタマイズツールを標準搭載。同ツールを使用することで、情報システム部門のアプリケーション開発者は端末画面の設計・構築工数を大幅に削減できるという。

 また、GS21シリーズとモバイル端末を連携させたSFA・CRM環境を早期に導入するためのソリューションとして、「メインフレームコネクト」を新たに提供する。これは、「WSMGR for Web」の導入支援、端末画面の設計支援、利用者認証やID管理を含むセキュアなネットワークサービスなどを、オールインワンで提供するもの。

 2014年は同社が初代メインフレームを発表してから50周年。顧客それぞれの要件を採り入れながら処理能力・機能・仕様を最適化してきたという同社だが、今後も「Made in Japan」にこだわり、GS21シリーズのハードウェア、ソフトウェア、サポートを強化・提供し、顧客のビジネス成長に貢献するとしている。

 価格は、「GS21 2600モデルグループ」(全35モデル)が月額1138万2000円(税別)から、「GS21 2400モデルグループ」(全29モデル)が月額101万5000円(同)から。いずれも9月末より順次出荷する。富士通はメインフレーム全体で2014年度~2016年度の3年間で700台の販売を目指す。

川島 弘之