ニュース

TFX、基幹システムを富士通と共同で刷新~TCOを50%削減

 富士通株式会社は24日、株式会社東京金融取引所(以下、TFX)と共同で、TFXの基幹業務システムである「金利先物等取引・清算システム」を刷新したと発表した。同システムは2月3日から本格運用を開始している。

 TFXの金利先物等取引・清算システムは、金融デリバティブ商品の注文の受付と約定などを行う「デリバティブ取引アプリケーション」と、約定した取引の清算を行う「清算アプリケーション」で構成されており、従来は、海外の取引所が提供するデリバティブ取引アプリケーションのパッケージと、富士通が開発した清算アプリケーションを組み合わせ、同社が構築したシステム基盤上で運用していた。

 しかし旧システムでは、システム障害により取引が停止した場合、金融市場に大きな影響を及ぼすものの、パッケージ製品の詳細な仕様が公開されていないため、障害の再発防止や改善プロセスの妨げとなりやすいこと、金利先物等取引・清算システムのTCO削減ができないことなどが課題になっていたという。

 そこで今回のシステム刷新では、新たにTFXと富士通と共同でデリバティブ取引アプリケーションを開発し、金利先物等取引・清算システムを刷新。これにより、システム全体を富士通が提供することになった。

 また新システムの基盤を、x86サーバー「PRIMERGY」、ストレージ「ETERNUS」などの最新機器と、サーバー障害時の迅速な復旧を支援するインメモリデータ管理ソフト「Primesoft Server」などの富士通製品で刷新し、信頼性と業務継続性を向上させたとのこと。

 システム運用についても、富士通の運用センターから24時間365日体制での運用・監視を行うサービスを提供することで、アプリケーション開発・構築・運用・保守などの全フェーズでの各種サービスを富士通が一元的に提供するようになった。これによって、迅速な課題解決や運用効率の向上が見込めるとのことで、TFXは約50%のTCO削減を実現したとしている。

石井 一志