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“生活者の価値観”から商品戦略を! DNPが新マーケ支援サービス

 大日本印刷株式会社(DNP)は12日、生活者の価値観と企業のビッグデータを組み合わせたマーケティング支援サービスを開始した。

 同社は、生活者の真の姿をとらえて企業のマーケティング活動を支援する「カスタマーフォーカスマーケティング」に取り組んでいる。新サービスは、生活者の価値観と企業のビッグデータを組み合わせ、生活者個々の価値観「生活者DNA」や、自社の商品がどんな価値観の人に購入されているかを把握し、商品の持つ価値「商品DNA」まで判別するもの。

 これにより、生活者一人ひとりの感性にあった企業マーケティングを支援、生活者目線での商品戦略が可能になるとしている。

DNPが独自構築した「価値観クラスター」とは?

 DNPが独自に構築した「価値観クラスター」を利用して、企業の顧客(生活者)の価値観を判別する「生活者DNA」と、自社の商品がどんな価値観を持つ生活者に購入されるかを把握し、商品の持つ価値を判別する「商品DNA」まで判別するのが特徴。

 価値観クラスターは、生活者の価値観の分類を示すもので、生活者一人ひとりが持つ「普遍的な消費価値観」と、商品の比較検討時に重視する「購買比較時の意識」という2つの視点に絞り込んで、生活者の価値観を判別する。

 具体的には、独自のロジックと過去の購買行動などから、30種類(6×5)のクラスターに分類している。「普遍的な消費価値観」としては≪他者評価依存≫ ≪ハイクラス志向≫ ≪出世貧欲≫ ≪真面目実直≫ ≪人生謳歌≫ ≪充足感希薄≫、「購買比較時の意識」としては≪お墨付重視≫ ≪自己決定型≫ ≪口コミ重視≫ ≪流行追随≫ ≪低価格志向≫となる。

 生活者DNPは、DNPの価値観データベースと企業の持つ購買履歴といった情報を掛け合わせることで、生活者を30の価値観クラスターに分類し、個々の価値観を推測するもの。企業は生活者の価値観に合わせた効果的なマーケティングを実施できるとのことで、例えば、生活者DNAを把握することで、ターゲットとなる生活者の価値観に合わせた新商品開発が可能になるという。また、生活者の価値観を判別し、企業が提供しているサイトで価値観タイプ別にマイページ提供やメールマガジン配信を行うなど、メディアの最適化やエリアマーケティングを促進する。

 商品DNAは、自社の商品がどんな価値観の生活者に購入されているかを知ることで、商品が持つ価値を把握するもの。これにより、生活者目線での販売戦略が可能となり、商品の持つ強みを生かした販売施策や商品の売上予測が可能になるという。

 価格は、対象となる生活者(会員)10万人の場合、150万円から(初回+年間3回のデータ更新を含む)。次年度更新費用は75万円/年から。DNPは、自社で保有する生活者上布尾をマーケティング活動や商品開発などに活用する企業に提供し、3年間で50億円の売り上げを目指す。

川島 弘之