ネットワン、愛知県のプライベートクラウド基盤を構築

　ネットワンシステムズ株式会社（ネットワン）は10日、東海地域を事業拠点とするパートナー企業とともに、愛知県のプライベートクラウド基盤、および遠隔バックアップシステムを構築したと発表した。この基盤を構築して汎用機を廃止することにより、運用コストを大きく削減。東南海地震に備えた事業継続・災害対策も実現するという。なお、これらの環境は、2013年10月に稼働を開始している。

　汎用機を利用してきた愛知県では、長年にわたる運用で業務システムのプログラムが複雑化し、法制度改正などへの対応が困難だったほか、プログラム修正や運用管理が可能な技術者が減少し、安定的な運用保守要員の確保が難しいといった課題を抱えていた。

　そこで、プライベートクラウド基盤を構築して業務システムを移行させ、2014年3月末に汎用機を廃止することを決めたという。具体的には、大型の汎用機で稼働している12個の業務システムを新基盤へ移動させ、その後、個別のサーバーで稼働している業務システムを順次移行する計画。また、これらの業務システムのデータは、愛知県外の異なる電力会社管轄の地区へバックアップする。

　なお、この基盤では、VMware vSphere、Cisco UCS Bシリーズ、Cisco Nexus、EMC VNX
といった製品を組み合わせることで、物理・仮想の両サーバーを一括設定でき、障害時には迅速に復旧される仮想インフラを実現した。さらに、遠隔地へのバックアップについては、EMC Avamarの重複排除機能を用いてネットワーク負荷を大幅に軽減したとのこと。

　運用面では、オープンソースの統合運用管理ソフトHinemosなどを採用した。これにより、物理・仮想の両環境において、状態監視・ジョブ管理・ログ管理・バックアップ管理などを一括管理し、自動運用化する仕組みを導入したため、運用管理負荷を低減したという。

　このほか、プライベートクラウド基盤上のシステム以外の全庁のシステムでも共通して利用できる、データ連携・ウイルス対策・印刷管理・DNSなどの機能を提供。オープンソースのOS・ミドルウェアなどによるアプリケーション基盤を構築し、アプリケーション稼働機能を提供したとのこと。