2013年上半期の国内ネットワーク市場、企業向け無線LANと携帯キャリアがけん引～IDC Japan調査

　IDC Japan株式会社は6日、ルータ、Ethernetスイッチ、企業向け無線LAN機器などを含めた国内のネットワーク機器市場における、2013年上半期の実績と今後の予測を発表した。それによると、2013年上半期の同市場は、移動体通信事業者の投資が依然として堅調だったことや、企業での無線LAN利用の拡大などによって、市場の好調さが継続したという。

　製品分野別を見ると、ルータ市場は2012年上半期の実績を下回ったものの、Ethernetスイッチ、企業向け無線LAN機器の両市場は、前年同期比および前期比ともにプラス成長となった。

　そのうちEthernetスイッチ市場では、データセンター向けが堅調だったこと、企業向け市場で売り上げが増加したことに加え、LTE基地局展開に伴う通信事業者のモバイルバックホール用途で売り上げが拡大したことが成長の要因で、2013年上半期は前年同期比9.0％増の高い成長率を記録した。ベンダー別では、LTEサービス展開に伴う通信事業者向けの需要をとらえた日立金属が好調だったという。

　無線LAN機器市場においては、モバイルトラフィックのオフロードを目的とした公衆無線LANアクセスポイントの需要は減少したものの、一般企業向けで、タブレット端末の導入を契機とする無線LAN環境構築需要が市場を押し上げたため、市場全体では前年同期比12.4％の高い成長を見せている。ベンダー別では、一般企業で無線LAN機器需要が高まったことを受け、リーディングベンダーであるシスコがシェアを拡大した。

　ルータ市場を見ると、移動体通信事業者におけるLTEサービスの積極的なエリア展開にけん引され、アルカテル・ルーセントがシェアを伸ばしている。

　なお2013年～2014年の国内ネットワーク機器市場では、移動体通信事業者におけるLTEサービス展開に向けた投資と、企業向け市場では無線LANの利用拡大が、引き続き市場をけん引するとIDC Japanでは見ており、2012年～2017年の年間平均成長率（CAGR）は、ルータ市場で0.5％、Ethernetスイッチ市場は0.4％、企業向け無線LAN市場は6.0％と予測している。