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2013年のセキュリティ市場は約2500億円、潜在脅威の可視化が重要に~IDC予測

 IDC Japan株式会社は24日、国内情報セキュリティ製品市場の2013年~2017年の予測を発表した。2013年の国内情報セキュリティ製品市場において、ソフトウェア製品の市場規模は前年比6.2%増の2024億円で、そのうちSaaS型セキュリティソフトウェアの市場規模は前年比18.8%増の105億円と予測。セキュリティアプライアンス製品の市場規模は前年比10.9%増の357億円と予測する。

 2013年の国内セキュリティソフトウェア市場は、アイデンティティ/アクセス管理、エンドポイントセキュリティ、Webセキュリティで需要が高く、市場規模は前年比6.2%増の2024億円。2014年以降は、クラウドサービスやモバイル端末の利用拡大や、巧妙化が進む標的型攻撃の増加によって、アイデンティティ/アクセス管理、エンドポイントセキュリティ、およびセキュリティ/脆弱性管理への需要が拡大。2012年~2017年の年間平均成長率(CAGR)は4.5%で、市場規模は2012年の1906億円から2017年には2381億円に拡大すると予測する。

 また、SaaS型セキュリティソフトウェア市場は、アイデンティティ/アクセス管理、エンドポイントセキュリティ、メッセージングセキュリティで需要が高まり、前年比18.8%増の105億円。2014年以降は運用管理負荷の軽減や災害時の事業継続を目的とした需要が高く、2012年~2017年のCAGRは13.8%、市場規模は2012年の88億円から2017年には168億円に拡大すると予測する。

 2013年の国内セキュリティアプライアンス市場は、IDS/IPS、UTMで需要が高まり、前年比10.9%増の357億円。2014年以降は、モバイル機器の普及によるリモートアクセスネットワークのセキュリティ基盤強化と、未知の脆弱性を狙うゼロデイ攻撃などのマルウェア対策へのニーズが高まり、ファイアウォール/VPNやUTM、IDS/IPSの需要が拡大すると見る。同市場の2012年~2017年のCAGRは6.3%で、市場規模は2012年の322億円から2017年には437億円に拡大すると予測する。

 なお、標的型攻撃は、未知の脆弱性を狙ったゼロデイ攻撃などによって、ボットウイルスを標的社内部に侵入させて、長期期間にわたって潜伏、執拗(しつよう)かつ継続的に標的対象を攻撃する。このため、「セキュリティベンダーは、セキュリティ脅威の可視化が重要で、SIEM製品などでのレポーティング機能強化や、評価・分析サービスの拡充を図り、ユーザー企業の潜在的なセキュリティ脅威の可視化を進めるべき」(IDC Japan)などとしている。

川島 弘之