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NTTデータと日立、デジタルペンを活用した税務申告の電子化サービス

白色申告の記帳義務化を見据え協業

 株式会社NTTデータと株式会社日立製作所(以下、日立)は3日、デジタルペンを活用し、会計帳簿や確定申告時に必要となる領収書や請求書などの証票類を電子化するサービスについて、業務提携することで合意した。2014年1月から白色申告の記帳義務化を見据え、新たに「証憑データ収集サービス」を開発し、2014年1月20日より会計事務所へ提供を始める。

 白色申告の記帳義務化により、領収書や請求書を簡単に電子化し、電子申告時に利用したいというニーズが会計事務所を中心に高まっているという。

 「証憑データ収集サービス」では、会計事務所の顧問先である企業や個人事業主が、専用の会計帳票や添付書類に必要事項をデジタルペンで記入することで、記入内容が電子データ化され、会議事務所が取り扱う会計ソフトなどに取り込まれる。

 会計事務所は、帳簿や書類の内容を手入力する必要がなくなるのがメリット。クラウド型で提供されるため、新たなシステム構築が不要で、デジタルペンを活用するため、顧問先にも特殊なIT知識が要求されないのも特徴となる。

 日立は2013年11月1日より、デジタルペンを用いて紙媒体に手書きした情報を電子化するサービスをSaaS型で提供する「デジタルペンソリューション(クラウド型)」を提供している。一方、NTTデータは、申告書作成ソフト「達人シリーズ」やオンライン税務サービス「達人Cube」などを提供している。

 今回、デジタルペンで記入された手書き情報をデータセンターでデータ化・文字コード化した上で顧問先ごとに集約・管理する機能を日立が提供。NTTデータが文字コード化し集約・管理された情報を、達人Cubeを通じて、達人シリーズやそのほかの会計ソフトなどへデータ連携を行う。

 サービス利用料は、1顧問先あたり月額2500円を予定する。販売はNTTデータが担当。

 今後、NTTデータはデジタルペンを活用し証票類を電子化するサービスにおいて、日立との協業を強化し、会計事務所だけでなく、個人納税者の記帳業務を支援する各種団体向けにもサービスを拡大する方針。将来的には30万人以上が利用するサービスへと発展させるとしている。

川島 弘之