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日本SGI、ビッグデータ市場向けの高密度クラスタサーバーとHadoopアプライアンス

1コアに1つのHDDが対応、同時アクセスによるディスクI/Oの遅延を解消

 日本SGI株式会社は7日、ビックデータ市場向けの高密度クラスタサーバー「SGI InfiniteData Cluster」を販売開始すると発表した。また、「SGI InfiniteData Cluster」にHadoopソフトをあらかじめ組み込んだアプライアンス「SGI Hadoop Cluster」も製品化する。

 「SGI InfiniteData Cluster」は、ビッグデータ解析に求められる分散並列処理に最適化されたラック型サーバー。高密度化を実現するため、高さ1Uまたは2Uの天面が開放されたトレイ型筐体を独自開発しており、24インチラックにプロセッサコアを最大1920個、ストレージを1.9PBまで搭載できる。

 2Uのトレイ型筐体には、6コアのXeon E2600 V2ファミリーを2基と、4TB SATA HDDを12台まで搭載可能で、1つのプロセッサコアに対して1つのHDDを対応させることができる。これにより、Hadoopなどを活用した膨大な数の並列計算処理において、複数のCPUコアが1つのHDDへ同時アクセスすることから生じていたディスクI/Oの遅延が解消され、計算処理能力が向上するとのこと。各ノード間は10Gigabit Ethernet(GbE)で接続され、より高速なFDR InfiniBandも選択可能だ。

 参考価格は、2Uトレイ8台(トレイあたり、Xeon E5-2600 v2(6コア)×2、64GBメモリ、3TB HDD)、GbEスイッチ、Red Hat Linux、42Uラックキャビネットといった構成で、781万4000円(税別)。

 一方の「SGI Hadoop Cluster」は、「SGI InfiniteData Cluster」にHadoopのソフトを組み込んだHadoop専用アプライアンス。米ClouderaのHadoopディストリビューション「CDH(Cloudera’s Distribution Including Apache Hadoop)」、CDH専用管理プラットフォーム「Cloudera Manager」、SGIのシステム管理ソフト「SGI Management Center」の各ソフトを、それぞれの専用ノードにプリインストールして出荷する。

 管理ノードや計算ノード、ネットワーク、OSなどすべてのシステム構成をHadoop向けに最適化しているため、Hadoopを活用したビッグデータ解析システムを、短期間で構築して稼働開始できるとのこと。

 参考価格は、2Uトレイ8台(トレイあたり、Xeon E5-2600 v2(6コア)×2、64GBメモリ、3TB HDD×12)、Rackable Standard-Depthサーバー4台、GbEおよび10GbEスイッチ各1台、Red Hat Linux、SGI Management Center、Cloudera Standard Distribution、42Uラックキャビネットといった構成で2398万円(税別)。

 なお日本SGIでは、主にHadoopなどを活用し、高度なビッグデータ解析を行う企業や大学・官公庁の研究機関、データセンター事業者などへ、両製品を販売していく考えだ。

石井 一志