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NEC、ITシステムとの容易な連携に対応したコミュニケーションサーバー

UNIVERGE SV9500 テレフォニーモデル

 日本電気株式会社(以下、NEC)とNECインフロンティア株式会社は5日、コミュニケーションサーバー「UNIVERGE SV9500」と、その小容量タイプである「同 SV9300」を発表した。ITシステムとの容易な連携に対応しており、企業が理想の業務フローを実現できるように支援するという。

 SV9500/SV9300は、IP電話やインスタントメッセージング(IM)など、さまざまなコミュニケーション環境を提供するためのIPテレフォニーサーバー。今回は、ITシステムと連携するためのWeb APIを用意し、グループウェアや業務アプリケーションなどとSV9500/SV9300が容易に連携できるようにした。これによって、企業内などで、より柔軟な人と人との連携が可能になるという。

 例えば保守サービス業務では、保守員がスケジューラに登録した予定を管理者が見て、緊急手配などが必要になった際はそれをもとにスタッフを探す、といった利用法が一般的に見られる。しかし、保守員の作業が必ずしも予定通りに進行しているとは限らず、その確認もすべてできているわけではなかったため、緊急対応が必要になった場合でも、対応要員をすぐにアサインできるとは限らなかった。

 しかし連携用のAPIを用意することで、スケジューラとコミュニケーション基盤を連携させ、保守員がIMによって位置情報を登録することにより、人員配置を地図上へリアルタイムに表示するようなシステムを、容易に構築可能になったとのこと。これを参照すれば、各人のステータスをリアルタイムに確認でき、必要な人員を探すまでの手間が相当に省ける。

 NEC 企業ネットワーク事業部長の野田修氏は、「UNIVERGEでは今まで、個々人がどこでも働ける仕組みを提供してきた。しかし個々人は活躍できるようになったが、人と人をうまくつなげ、総合力を企業が発揮することが求められるようになったため、個々の業務システムでは作り込みが難しかった部分を提供することにした」と、こうした機能を提供する背景を説明した。

保守員の配置に関する課題を、ITシステムとコミュニケーション基盤の連携により解決できるという
保守員向けのスケジューラとコミュニケーション基盤を連携させたアプリケーションの例
スマートフォンなどの携帯電話から位置情報を登録すると、リアルタイムに反映される
プレゼンス情報とも連携

 ラインアップは、SV9500の場合、従来製品の機能を踏襲した「テレフォニーモデル」と、ユニファイドコミュニケーション機能を統合した「UCサーバモデル」を用意する。「テレフォニーモデル」の価格は500万円(税別)からで、11月25日の出荷を予定。一方の「UCサーバモデル」は2014年3月の出荷開始を計画しており、価格は検討中とのこと。また、小容量向けのSV9300は50万円(税別)から。

 なおSV9500/SV9300では、「UNIVERGE SV8500」「同 SV8300」といった既存機種の回線カードや、ゲートウェイ装置、電話機などの設備は最大限流用できるようにしており、利用中の昨日や操作性を維持したまま、段階的な移行も可能になっている。

 NECでは、ワールドワイドでシェア3位となっている企業テレフォニー市場のベンダー別シェアを、2015年までに2位に引き上げたい考えで、特に伸びているアジア太平洋地域や、連携のニーズが高い北米や欧州などを中心に販売を進めるとしている。

既存資産を有効活用可能
ワールドワイドで2位のシェアを目指す

石井 一志