ニュース

キヤノンMJ、クライアント運用管理プラットフォーム「Kaseya」SaaS型提供

~Windows XP移行需要を見込む

 キヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)は10月23日、米国Kaseya(カセヤ)社のクライアント向けITサービス提供プラットフォーム「Kaseya日本語版SaaS」を12月2日より国内提供を開始すると発表した。利用料は、100~500アカウント利用時に1アカウントあたり月額500円(税別)。

 「Kaseya」は、クライアント向けのITサービス構築や運用の管理プラットフォームで、PC遠隔操作やソフトウエア自動インストール、MDMなどの運用管理をワンストップで提供する。キヤノンMJでは、2012年から「Kaseya」をオンプレミスで提供してきたが、12月よりSaaS型で提供を開始するもの。

 サービスプロバイダーや企業のIT部門に提供するほか、キヤノンMJ自身がサービスプロバイダーとして、一般企業に対してオンプレミス、日本語版SaaSでの提供を行う。SaaS版では12月のサービス開始と同時に「Windows 7移行サービス」と「プリンタドライバ展開サービス」を提供。2014年前半に、セキュリティ、データバックアップ、MDMを追加する予定だ。

「Kaseya」プラットフォームの概要

 「Kaseya」は、世界32カ国のサービスプロバイダーや企業のIT部門に採用されており、クライアントの導入・運用に必要な機能をオールインワンで提供する点が特徴。管理対象はPC、タブレット、スマートフォンまで幅広くカバーする。PCの場合はWindows、Mac、LinuxなどのOSに対応し、スマートフォンではAndroid、iOS、BlackBerry、Windows Phoneの端末に対応する。

 オールインワンで提供される機能は、資産管理機能では、PCの遠隔操作・サポート、モニタリング、パッチマネジメント、デスクトップポリシーマネジメント、ネットワークマネジメント、MDM、ソフトウェア自動インストール、バックアップ・復元、データ遠隔消去、アンチウィルス・アンチマルウェア、電源管理、ヘルプデスク・トラブルチケットなどがある。

 自動化を行うITオートメーション機能を備え、クライアントへの導入・運用に関する操作を、スクリプトによる簡単な構文を使って、ステップを踏みながらプログラム化。単純なファイル送信やメール送信、OSの移行やドメインの統合まで幅広い領域で作業工数を削減可能となっている。

 また、クライアント管理に関連する他社製品の利用管理やサービスを監視・制御する連携システムの構築が可能。現在、OS移行、セキュリティー、バックアップ、資産管理、MDM、マネージド・プリンティング・サービス、ネットワーク、回線など各ジャンルの企業でKaseyaとの連携を可能にするエコシステムの形成が進んでいるという。

 国内では、キヤノンMJのマネージド・プリンティング・サービスのほか、インテルのハードウェア、日本HP/CA/ストレージクラフトのバックアップ、ESET/Symantec/トレンドマイクロのセキュリティ、LANDeskと日本HPのMDM、AOSテクノロジーのOS移行、クオリティソフトの資産管理などとの連携管理が予定されている。

「Kaseya」連携環境整備が見込まれるサービス

 SIerやサービスプロバイダー向けには、複数の企業単位、企業内部門を管理できる機能を標準装備するほか、契約者以外の第三者使用が可能な契約体系を採用しているため、同一ライセンス内で、異なる企業での利用が可能となっている。

 キヤノンMJでは、クライアント向けITサービスの強化拡充を図ることで継続的な利用を推進し、2016年までに年間10万クライアントの利用数を目指す。

工藤 ひろえ