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外気冷却とミスト噴霧を採用した都市型DC、NTTスマートコネクトが実証実験

システム概要
省エネルギー効果(シミュレーション値)

 NTTスマートコネクトは21日、省エネを追求した都市型データセンター「ミスト併用直接外気空冷システム(仮称)」の実証実験を開始した。システム構築工事の設計監理はNTTファシリティーズで、大阪市内のデータセンタービルで運用トライアルによる実証実験を共同で行う。

 同システムは、「空冷ヒートポンプパッケージによる従来からの空調機冷却システム」に、「直接外気冷房システム」と「ミスト噴霧による蒸発冷却システム」を組み合わせたもの。外気の温湿度条件に合わせて効率的にシステムを制御することで、データセンターの空調消費電力の削減を目指す。

 特長は、直接外気冷房により空調消費電力を削減しつつ、ミスト噴霧により取り入れ外気の温度を低下させることで、外気冷房の適用期間を拡大する。データセンターの信頼性の面でも、外気の異常高温時にミスト噴霧で空調機の能力低下や停止を回避できる。

 省エネルギー効果(シミュレーション値)は、従来の外気冷房を使用しない空調方式に比べ、外気冷房を使用することで37%削減、さらにミスト噴霧を併用することで8%削減、合計45%の空調消費電力削減が見込まれる。

 また、ミスト噴霧で空調室外機の吸気温度低下により排熱温度を低下させ、これによりヒートアイランド現象を抑え、かつ消費電力の低下によりCO2排出量の抑制も期待できるという。

 今後、NTTスマートコネクトの設備による検証後に、商用ルームの開設も予定する。

川島 弘之