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日本オラクル、仮想環境向けのエンジニアドシステム「Virtual Compute Appliance」

Oracle Virtual Compute Appliance

 日本オラクル株式会社は12日、仮想化統合基盤を実現するエンジニアドシステム「Oracle Virtual Compute Appliance」を発表した。同日より提供開始する。

 「Oracle Virtual Compute Appliance」は、仮想環境の構築に必要なハードウェアとソフトウェアを一体化し、統合基盤として提供するアプライアンス。ユーザーは、電源を入れてから約1時間で本番環境を準備し、仮想マシンを数分で実行できるという。このように仮想環境があらかじめ用意されているため、アプリケーションをシンプルに構築でき、利用開始までの時間を短縮可能なのが、ユーザーにとっての大きなメリットになる。

 具体的なコンポーネントとしては、サーバー基盤にXeonを搭載したx86サーバーの「Sun Server X3-2」とOracle VMを利用するほか、ストレージ基盤に「Sun ZFS Storage Appliance」を採用。仮想ネットワーク製品群「Oracle Virtual Networking」の仮想化コントローラ「Oracle Fabric Interconnect」、管理ソフトウェア「Oracle SDN」なども利用する。

 OSは、SolarisとOracle Linuxに加え、その他のLinuxディストリビューション、Windowsに対応。同時に動作することも可能で、さまざまなOSとアプリケーションの混在に対応する。

 加えて、システム全体の仮想マシン群を簡単に作成・構成する「Oracle Virtual Assembly Builder」を含み、テストと構成が事前に行われた参照構成「Oracle VM Templates」を標準でサポートするため、Oracle LinuxやSolaris、データベース、ミドルウェア、アプリケーションに必要なコンポーネント全体を迅速に展開できるとした。

 また、システム内部は広帯域のInfiniBandネットワークを使用して構築され、すべての仮想マシンから透過的に利用できる内部接続モジュールを経由して、既存のEthernetとFC SANのネットワークに接続するという。

 管理面では、直感的な操作によるアプライアンス管理機能を備え、管理ツールの「Oracle Enterprise Manager」と完全統合されているため、クラウド環境と多層システム全体を管理できるとのこと。可用性についても、対象外設計の採用により、障害発生時の被害を最小限度に抑えられるとのことで、ハードウェアまたはソフトウェア障害の際には、アプリケーションの仮想マシンが自動的に再起動する。

 なお、エンジニアドシステムに適用されるライセンスモデル「Oracle Trusted Partitions」にも対応しているので、日本オラクルのソフトウェアが稼働するCPU数を制限し、ライセンスを効果的に使うことも可能である。

 価格は、Sun Server X3-2が4台(うち、管理用が2台)、Oracle ZFS Storage Appliance(292GBのSSDと18TBのHDD)などを含む最小構成で、2880万4361円(税別)から。

石井 一志