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日本HP、クラウドサービスプロバイダーを支援する「HP CloudAgileプログラム」を国内で本格展開
オープンクラウド環境を推進するエコシステム構築へ
(2013/9/6 11:30)
日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は5日、クラウドサービスプロバイダーの販売網拡大、マーケティング、サービス開発などを支援する「HP CloudAgileプログラム」を、日本国内で本格展開すると発表した。
「HP CloudAgileプログラム」は、HPのテクノロジーを活用してクラウドサービスやクラウドソリューションをエンドユーザーに販売するビジネスパートナーを対象に、HPがグローバルに展開しているビジネス支援プログラム。日本HP 執行役員 チーフ・テクノロジー・オフィサーの山口浩直氏は、同プログラムの位置づけについて、「当社では、適材適所にクラウドを提供する『HP Converged Cloud』のコンセプトのもと、『Choice(選択肢)』、『Confidence(信頼性)』、『Consistency(一貫性)』をビジョンに掲げている。
この中でも、オープン性の確保を意図した『Choice』は、当社のクラウド事業戦略における大きなテーマになっており、今回、その重点施策として『HP CloudAgileプログラム』を展開する。これを機に、国内サービスプロバイダーと協調し、オープンクラウドを推進するエコシステムを構築していく」と述べた。
「HP CloudAgileプログラム」は、欧米市場で先行して展開が進んでおり、すでに全世界で50社を超えるパートナーがプログラムに参加し、HPの支援のもと、クラウドサービスの事業拡大を図っているという。
日本HP 執行役員 エンタープライズグループ営業統括 クラウド営業統括本部長の松浪幹生氏は、「グローバルでの実績・ノウハウをベースに、日本でも本格的に『HP CloudAgileプログラム』を展開する。同プログラムでは、『営業協調』、『技術支援』、『クラウドサービス開発の加速』の3つの施策を柱として、先進的なサービスを提供するパートナーの販売網拡大、マーケティング、サービス開発などをHPが後方支援する。これによって、パートナーのよりスムーズな事業拡大を助け、結果としてHP自身のビジネスの拡大にもつなげることを目指す」と、プログラムの狙いを説明した。
具体的な支援内容としては、「営業協調」では、協同アカウントプランニングを制度化することで、サービスプロバイダとの協調営業を推進し、エンドユーザーのニーズを満たす適材適所へのクラウド販売を支援する。また、協同マーケティング資金の提供も行い、マーケティング支援を通じて、よりよいサービスを市場に訴求していく。
「技術支援」では、プライベートクラウド基盤構築に最適なソリューションHP CloudSystemの導入を支援する「HP CloudSystem導入支援プログラム」、HP CloudSystemのリソースバースティング機能を各社のクラウドサービスに対応させるためのAPIを提供する「HP CloudAgile Bursting導入支援プログラム」を用意するほか、Cloud OS/OpenStackを活用し、HP CloudSystemからHP Moonshotまで最新のクラウドテクノロジーを含めた管理環境を提供する。
「クラウドサービス開発の加速」では、新規クラウド技術を導入するための技術トレーニングを提供するとともに、新規サービス開発のためのデモ環境を貸し出し、検証環境を提供する。さらに、HPファイナンスサービスがビジネスプランに合わせた支払モデルを提案する。
現在、国内では、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、IDCフロンティア、インターネットイニシアティブ(IIJ)、日立システムズ、GMOインターネット、GMOクラウドの6社が「HP CloudAgileプログラム」に参画しており、クラウド分野での協業を進めているという。
なお、発表会には、パートナー企業を代表して、NTT Com、IDCフロンティア、IIJ、GMOクラウドの4社が同席し、「HP CloudAgileプログラム」の今後の展開に期待を寄せた。
松浪氏は、「今後は、このプログラムを通じ、サービスプロバイダとの協調を拡大して『オープンクラウド陣営』を築き、クラウド市場における特定ベンダーのロックインに対抗していく」との考えを示した。