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NTTデータとAutoGrid、電力ピークカット手法の共同研究を開始~ビッグデータ分析による需要予測を活用

 株式会社NTTデータと米AutoGrid Systems(以下、AutoGrid)は22日、リアルタイムでのビッグデータ分析に基づいた需要家ごとの電力消費予測により、需要家側での自主的な省エネ行動を促進する、ボトムアップ型ピーク電力削減手法の共同研究を、9月より開始すると発表した。

 現在のピーク電力削減手法は、需要家と契約した上で緊急時に需要家設備を制御しする直接負荷制御方式など、トップダウン型が主流となっている。

 これに対して今回、両社が研究する手法は、需要家側での自主的な省エネ行動を促進するといった、ボトムアップ型の電力ピーク削減を実現するものとなる。具体的には、ビッグデータ分析技術を用いて、リアルタイムに需要家ごとの電力消費を予測分析し、その分析結果を需要家にフィードバックすることで、省エネ行動を促すとのこと。

 両社はこれにより、需要家の自発的なピーク電力削減による電力系統の安定化と、需要家の電気料金削減の両立を目指す考え。研究にあたっては、NTTデータが持つ大規模かつ複雑な情報システムの構築ノウハウと、AutoGridが持つ電力業界向けのビッグデータ予測分析の専門技術、および同社が保有するITプラットフォーム(EDP)を活用することで、従来は実現が難しかった、需要家ごとのリアルタイム電力消費予測に基づくデマンドサイドマネジメントの手法を確立するとしている。

 また、この共同研究が完了した際には、NTTデータとAutoGridのパートナーシップを活用し、北米を中心とした電力関係企業などへの展開を検討する予定。さらに、EUや日本を含むアジアなど、他地域への展開も含めて検討を進める。

石井 一志