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2017年の国内システム/ネットワーク管理ソフト市場は3551億円に~IDC Japan予測

仮想化導入に伴う運用管理プロセスの見直しで投資増を見込む

 IDC Japan株式会社は20日、国内システム/ネットワーク管理ソフトウェア市場について、2012年の実績と2017年までの予測を発表した。それによると、2012年の同市場規模は、前年比5.1%増の2913億1200万円。2012年~2017年の年間平均成長率(CAGR)は4.0%で推移し、2017年には3551億円に達する見込みという。

 前年比5.1%増という高い伸びを見せた背景には、企業のシステム更改や仮想化の導入に伴う運用管理プロセスの見直しが進み、システム/ネットワーク管理ソフトウェアの刷新や新規導入への投資が増えたことがある。

 また、市場構成比で1/4以上を占める、ワークロードスケジューリング/オートメーションソフトウェア市場が前年比7.0%増となり、市場成長をけん引したとのこと。当該市場の大部分を占めるジョブスケジューリングの売り上げが堅調に伸びたほか、プロビジョニングオートメーションやランブックオートメーションといった運用自動化ソフトウェアが、データセンターサービス事業者とサービスプロバイダーを中心に売り上げを大きく伸ばしている。

 さらには、IT資産管理を含むシステム変更/構成管理ソフトウェアについても、仮想化の導入に伴い、IT資産管理やシステム構成管理の見直しを図る企業が増えたことを受けて、前年比7.0%増を記録した。

 ベンダー別の売上額シェアでは、日立が2011年に引き続きて1位を獲得。以下、富士通、NEC、IBMの順となる。また、シェア10位以内で2012年に高い成長を達成したベンダーとしては、マイクロソフトとVMwareが20%以上、HPが10%以上売り上げを伸ばしたとのことだ。

 なお、2013年の国内システム/ネットワーク管理ソフトウェア市場は、前年比5.2%増と、2012年と同水準の高い伸びが予測されている。これは、システム更改や仮想化の導入に伴う運用管理プロセスの見直し、大規模データセンターにおける運用自動化に対する需要が2012年に続いて見込まれているためだ。

 また、仮想化の進展とともに、多くの企業や事業者で運用の自動化が進むことを受けて、ワークロードスケジューリング/オートメーションソフトウェア市場も成長を続けると見込まれており、IDC Japanは2012年~2017年のCAGRを6.2%と予測している。

石井 一志