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東京都交通局、都バスや鉄道の問い合わせ窓口を一本化、遺失物も探しやすく

 富士通株式会社は8日、東京都交通局の「お客様の声ネットワークシステム」を構築し、本格運用を開始したと発表した。

 交通局では、都営交通お客様センター、地下鉄・ライナーの駅、都バス・都電営業所、交通局本局など都内124カ所の窓口に寄せられる運行スケジュール、運行状況、各種サービスに関する問い合わせ、都営バス137系統すべての車両や鉄道での遺失物の問い合わせに対応しており、その件数は年間30万件以上にのぼる。しかし、問い合わせ窓口が複数分散しているため、乗客はどこに問い合わせればいいのか分かりづらく、交通局の職員間でのナレッジ共有も困難状況だった。

 同システムでは、都内124カ所の窓口に寄せられる問い合わせを一元管理する。交通局全体でリアルタイムに情報を共有でき、関連部署との連携により、問い合わせに迅速対応。乗客は都営交通お客様センターに問い合わせれば、都営地下鉄、ライナー、都バス、都電での遺失物をワンストップで探せるようになるという。

 システムは「コールセンターシステム」「遺失物管理・検索システム」「お客様の声集積システム」で構成。

 「コールセンターシステム」は、富士通のIPテレフォニー「CL5000(カスタマイズシステム)」を活用した、各拠点の問い合わせ窓口に寄せられる電話を受け付けるための電話システム。運用に合わせたコールフローを作成する「コールルーティング機能」、電話着信に自動応答する「音声自動応答機能」、「通話録音機能」、センター全体の稼働状況をリアルタイムに監視する「リアルタイムモニタ機能」などを備える。

 「遺失物管理・検索システム」は、拾得日時や場所、拾得した人、拾得の届出を受けた拠点からお忘れものセンターへ送付した日付、同センターに届いた日付、警視庁遺失物センターへ拾得物を届け出た日時などの遺失物情報を管理する。都バス・都電の各拠点で発生する遺失物情報を一元管理するため、乗客は、都営地下鉄、ライナー、都バス、都電での遺失物をワンストップで探せるようになる。

 「お客様の声集積システム」は、富士通のCRMソリューション「CRMate/お客様接点力 ASタイプ」と「CRMate/お客様の声見える化」を活用して構築しており、電話、FAX、メール、交通局のホームページなどで寄せられるすべての問い合わせや意見・要望と、その対応記録を一元管理する。交通局の職員はそれぞれの拠点から同システムに蓄積された情報を参照でき、現在進行中の顧客対応状況、過去の成功事例・失敗事例などを把握・共有できる。蓄積した顧客の声をテキスト分析することも可能という。

川島 弘之