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CTC、遠隔地の複数データセンターを仮想統合するソリューション

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)は2日、遠隔地の複数のデータセンターを1つのデータセンターとして仮想的に統合するソリューションを、8月より提供開始すると発表した。統合した仮想データセンターの各リソースをソフトにより一括制御できる点が特徴という。また7月には、自社のデータセンター設備を用いたデモ環境を公開するとのこと。

 今回提供するソリューションは、遠隔地のデータセンターのサーバー、ストレージ、ネットワークの各リソースを仮想化して、1つのITインフラとして統合するソリューション。クラウド管理ソフトで各リソースをソフト的に制御することにより、運用管理、システムの構成変更、ITリソースの準備・利用を、セルフサービスポータルを通じて実施できるようにしている。

 メリットは、地理的な距離にかかわらずITシステムを一括管理可能な点。これによって運用体制のスリム化や、IT統制、災害対策の強化も実現するとのことで、運用コストは約3割の削減が期待できるほか、通常は待機状態にあるバックアップ用ITリソースの有効活用。IT資産コストの最適化にもつながるとした。

 7月に公開するデモ環境では、CTCの横浜と神戸のデータセンターに用意した、異なるシステム構成のITインフラを仮想的に統合し、CTCの大崎オフィスから専用ポータルで制御する環境を構築する。システム状況を、横浜や神戸のデータセンターで実際に確認することも可能で、9月には、横浜とマレーシアのデータセンターをつないだ仮想統合ソリューションの実証実験も計画している。

 なおCTCでは、プライベートクラウドなどで複数のデータセンターを利用中の企業や、データセンター事業者向けに営業展開する考えだ。

石井 一志