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インテル、企業向けクライアント・デバイスの最新動向と最新テクノロジーを紹介

インテル 常務執行役員 クラウド・コンピューティング事業本部 事業本部長の平野浩介氏

 インテル株式会社は6月27日、インテル・ビジネス・クライアント戦略説明会を開催し、企業向けクライアント・デバイスにおける最新動向を紹介するとともに、同社の提供する最新テクノロジーについて説明した。

 説明会では、まず、インテル 常務執行役員 クラウド・コンピューティング事業本部 事業本部長の平野浩介氏が挨拶。「日本の国力は、GDPで見て2013年から下落に転じているが、米国や中国は上昇を続けている。また、CIOが重視するビジネス戦略についても、世界と日本では優先順位に大きな乖離がある。世界では1位が『企業成長を加速する』、2位が『オペレーションで成果を挙げる』だったが、日本ではそれぞれ4位、9位と低い順位だった。しかし、今後、日本経済を成長させていくためには、日本政府が閣議決定した『世界先端IT国家創造宣言』を追い風に、多くの企業が、ICTの利活用に本気で取り組む必要がある」と、日本の経済成長に向けて、日本企業には「本気の」ビジネス戦略が求められていると指摘した。

 そして、企業コンピューティングに対するインテルの提言として、(1)企業戦略としての本気のICT化推進、(2)最新技術の積極的導入による経営効率、生産性の向上、(3)企業(市民)としての安全性確保--の3つを掲げた。

 続いて、インテル クラウド・コンピューティング事業本部の坂本尊志氏が、「企業の基幹業務を変える最新デバイス」と題して、同社の手がける最新テクノロジーを紹介。「当社では、インテルvProテクノロジーを2006年から展開しており、一貫して安全な企業コンピューティングを支援してきた。このテクノロジーは、年々進化を遂げており、現在、その利用範囲はサーバー、POSやデジタルサイネージにまで拡大している。2013年は、さらに機能強化した第4世代のインテルvProテクノロジーを提供される予定だ」と述べた。

インテル クラウド・コンピューティング事業本部の坂本尊志氏
インテルvProテクノロジーの推移

 「今までのインテルvProテクノロジーは、専任の担当者がクライアントサーバー型の管理を行う大規模から中規模の企業をターゲットとしていた。そこで、新たに中小規模の企業に向けた管理テクノロジーとして、インテル スモール・ビジネス・アドバンテージ(インテルSBA)を展開している。インテルSBAでは、PCが自立的に重要なファイルをバックアップしたり、OSやウイルス対策ソフトの更新を行う。そして、問題発生時のみ担当者に通知する。これにより、ハードウェアベースの強力なPC管理を、大企業から中小企業まで、あらゆる規模の企業に展開することが可能となった」と、中小企業向けの新たなテクノロジーとして「インテルSBA」をアピールした。

 「インテルSBA」の主な機能としては、セキュリティ対策として、重要なソフトウェアの動作をハードウェアが監視する「ソフトウェア・モニター」、PCの電源状態にかかわらず動作し重要なデータをサーバーにバックアップする「データのバックアップと復元」、許可されていないUSBデバイスの利用をブロックする「USBブロッカー」を搭載。また、生産性向上対策として、PCの電源状態にかかわらず動作しPCの健康状態をモニターする「ヘルスセンター」、出勤前にPCをオンすると出社後はすぐに業務を開始できる「エナジーセーバー」、ワイヤレスで画面を共有しコラボレーションを促進する「インテル ワイヤレス・ディスプレイ」といった機能を提供する。

様々な業務に最適なデバイスを提供

 この後、坂本氏は、柔軟なワークスタイルと高い生産性、情報セキュリティを同時に実現する「Ultrabook」の企業への導入が着実に進んでいることを説明。「インテルCPUを搭載したタブレット端末やタッチインターフェイスに対応した2-in-1タイプのUltrabookなど、様々な業務に最適なデバイスを提供している。そして、この最新デバイスによって、企業の基幹業務や人々の働き方が変わり始めている」との考えを示した。

 なお、説明会では、実際にUltrabookを導入した事例として、ツネイシホールディングス株式会社、および一般財団法人 名古屋市療養サービス事業団から、Ultrabookを業務に活用した先進的な取り組みが紹介された。

 坂本氏は、「最新のICT技術によって、従業員が働きやすい環境を実現することは、結果として企業の生産性向上や顧客サービスの向上につながると考える。これから登場する第4世代インテルCoreプロセッサー・ファミリーの革新的な性能は、『本気の』ICT投資を推進する企業に大きなメリットをもたらすはずだ」と訴えた。

唐沢 正和