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2012年の国内Enterprise Applicationsソフト市場は2918億円、SaaS型は今後の伸びを期待~IDC Japan

 IDC Japan株式会社は25日、国内EA(Enterprise Applications)ソフトウェア市場予測を発表した。それによると2012年の同市場は、オンプレミス型とSaaS型をあわせて、前年比3.7%増の2918億8600万円となった。

 セグメント別では、2012年の前年比成長率が最も高かったのはCRMソフトウェア(オンプレミス型/SaaS型)市場の6.8%で、前年を上回る成長率を記録したという。さらに、市場の中で売り上げ構成比が最も大きい国内ERMソフトウェア(オンプレミス型/SaaS型)市場では、国内企業のグローバル展開に伴うシステム刷新ニーズおよびグループ企業を含めた経営の高度化ニーズが市場をけん引しており、2012年は前年比成長率2.9%で推移した。

 またIDC Japanでは、市場全体の2012年~2017年の年間平均成長率(CAGR)を4.3%と予測。2017年の同市場規模は3599億8200万円になるとのこと。セグメント別に見ると、国内ERMソフトウェア(オンプレミス型/SaaS型)は4.2%、国内CRMソフトウェア(同)市場は5.0%、国内SCMソフトウェア(同)市場は3.9%と予測されている。

 なお、各セグメント別の市場からSaaS型による売上額を抽出した市場に着目すると、国内SaaS型ERMソフトウェア市場の2012年~2017年におけるCAGRは15.7%、国内SaaS型CRMソフトウェア市場は8.3%、国内SaaS型SCMソフトウェア市場は16.8%になると見込まれており、今後の伸びが期待されている。

 もっとも、SaaS型CRMソフトウェアを除けば、EAソフトウェア全体の売上額に占めるSaaS型の売上額比率は、現状ではごく一部にすぎないとのこと。これは、中堅から大手の企業において、販売管理や生産管理などの既存の業務プロセスが変化し、業務効率が低下するリスクが懸念されるSaaS型ソフトウェアよりも、既存の業務アプリケーションをIaaS/PaaSへ移行するという選択肢をとる傾向が強いためと、IDC Japanでは分析している。

国内EAソフトウェア(オンプレミス型/SaaS型)市場予測:2012年~2017年(出典:IDC Japan)

石井 一志