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2012年の国内テープストレージ市場は前年比15.2%の減少、今後も引き続きマイナス成長~IDC Japan

国内テープストレージ売上額予測:2010年~2017年(出典:IDC Japan)

 IDC Japan 株式会社は19日、国内テープストレージ市場の2012年の実績と、2017年までの予測を発表した。それによると、2012年の国内テープストレージの売上額は、前年比15.2%減の158億8900万円だったという。なおここでいうテープストレージは、単体のテープドライブとテープオートメーションをあわせたものである。

 テープストレージのうち、2012年の単体のテープドライブ市場を見ると、売上額は前年比17.8%減の44億5300万円、出荷台数は同17.1%減の2万7800台と、いずれも減少している。これは、サーバーへの装着率の低下や、HDDをベースにした製品への需要シフト、バックアップ統合の進展といった影響を受けたもので、単体のテープドライブ需要はマイナス成長が続いているという。

 一方、2012年の国内テープオートメーション市場では、売上額が前年比14.1%減の114億3700万円、出荷台数が同14.5%減の8700台となった。こちらについても、バックアップ統合やバックアップの効率化でディスクベース手法を採用するケースが拡大し、バックアップを目的としたテープオートメーションの出荷が減少していることが要因。ただし、2012年は大型ライブラリを用いた大容量データのアーカイブ案件が複数あり、テープオートメーション市場にとっては明るい材料になったとしている。

 なお2012年~2017年の国内テープストレージ売上額の年間平均成長率(CAGR)は、マイナス7.7%と予測されており、IDC Japanでは、2013年以降もディスクベースバックアップ進展の影響を受け、テープストレージ市場は引き続き減少するものと考えている。

 IDC Japan ストレージシステムズ シニアマーケットアナリストの高松亜由智氏は、「バックアップ分野での需要減少の抑制とアーカイブ分野での需要促進には、ソフトウェアやサービスを含めたソリューションとして提供されることが必要条件となる」とプレスリリースのなかでコメントしている。

石井 一志