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盛岡市の「災害情報連携システム」が稼働、日本IBMが構築支援

 日本IBMは3日、岩手県盛岡市と構築した「盛岡市災害情報連携システム」が4月1日に稼働したと発表した。

 同システムは、災害発生時に被害情報、避難所情報、安否情報などを一元的に収集・管理するシステムで、災害対応にかかる迅速な意思決定を可能にする。災害情報をラヂオもりおか(コミュニティFM)や緊急速報メールなど、多様なメディアへ一括配信する機能も搭載。さらに高齢者、障がい者など、災害時の避難に特に配慮を要する住民の名簿をExcel形式で一括アップロードして地図情報と連携できる仕組みを実現し、災害時の要援護者対応を強化している。

 同システムは、3月27日と5月14日に、ラヂオもりおか放送への割込配信テストを行い、滞りなく配信されたことが確認された。また稼働後に盛岡市の全職員を対象とした操作説明会も実施。実災害発生時におけるスムーズな活用を目指した職員個別の操作トレーニングも随時実施している。これにより、災害発生時に盛岡市の職員が自らのスマートデバイスから災害関連情報を収集できるようになり、約29万人の盛岡市民に対して迅速かつ確実に災害関連情報を提供できるとしている。

 日本IBMでは、東日本大震災の各被災地の災害支援活動を通じて、日本における既存の災害対応の仕組みにはさまざまな課題があることを確認してきた。この課題を解決するため、「IBM災害対応情報システム」としてソリューション化を進め、今回の「盛岡市災害情報連携システム」にも適用している。同ソリューションは、日本IBMのクラウドデータセンターで稼働させるため、盛岡市庁舎が被害を受けてもシステムの利用が可能となる。今後は同ソリューションをほかの自治体にも展開していく予定。

(川島 弘之)