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Webサイトやアプリの生ログを保存、クラウド型ログストレージ「Xdata collect」

 株式会社セランは7日、ビッグデータ分析のためのクラウド型ログストレージサービス「Xdata collect(以下、collect)」の提供を開始した。

 collectは、Webサイトやアプリケーションのアクセスログや操作ログを一元的に管理・保存・蓄積するための法人向けクラウド型ログストレージサービス。collectにログを保存しておけば、必要な時に必要な期間のログを管理画面やAPIから抽出できる。

 昨今、多くの企業が自社サイトにアクセス解析ツールを導入している。アクセス解析ツールは解析結果をレポートに表示するが、RFM分析や商品分析、顧客分析など独自の分析を行うには、生ログを活用しなければいけないときが多々ある。しかし、多くのアクセス解析ツールでは、生ログをダウンロードできなかったり、ダウンロードできても保存期間が短いなどの成約が多いのが現状という。また、自社サイトのWebサーバーに残るログも不完全な情報しか記録されていないことが多い。

 そこでcollectでは、高度な分析を行うための「生ログの保存」に焦点を当て、多様で完全性の高いログを収集して保存できるようにした。collectでは、各種デバイスのログ送信に対応するため、Webサイトであれば自動ログ送信モジュールやJavaScriptタグ、アプリケーションであればログ送信用SDKなど、さまざまなログ送信用のプログラムを無償提供している。

 ログ送信プログラムによって通知されたrowデータは、分かりやすい形に自動変換して保存。collectが標準で保存するログフィールドは40種類と多岐にわたり、例えばスマートフォンでアクセスした場合、通常はUser-Agentがログに記録されるが、collectでは発売されている端末の正式名称やメーカー名も同時に記録されたり、リファラーも外部サイトと時サイトで自動的に判別されて別項目として記録される。保存されるログファイル内のカラムの並び順変更や、必要のない項目の削除なども柔軟に設定できる。

 また、標準のログフィールドのほかに、ユーザーが任意に送信できるカスタムパラメータフィールドも用意。例えば、ECサイトの場合、ログイン時に会員識別子をカスタムパラメータで送信し、成果ページで注文番号、購入商品番号、売上金額、購入者の識別子や属性情報をカスタムパラメータで送信すれば、この情報だけでRFM分析や顧客分析など、collectに保存されたログを使って独自の分析をするための準備が整うという。

 ラインアップとしては、無料プランと有料プランを用意。無料プランでは、月間50万件までのログを最大1カ月保存できる。有料プランにアップグレードすると、月間ログ件数50万件で月額5250円からとなり、標準で100GBのログ保存ストレージを活用可能。ログの保存期間はストレージ容量分まで無制限となる。

 例えば、月間1000万件のログを保存するサイトの場合、ログ保存件数による月額費用は2万5200円で、標準ストレージで約4年間ログを保存できるという。ストレージ容量は100GBあたり5250円/月で増設も可能。また、カスタムパラメータの保存フィールドは無料プランで最大5件、有料プランで最大50件となる。

(川島 弘之)