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NEC、NKCへクラウド型生産管理システムを導入~グローバルでの一元的な情報管理などを実現

 日本電気株式会社は23日、中西金属工業株式会社(以下、NKC)が、クラウドサービスを活用して、グローバルでの生産管理を実現したと発表した。IFSジャパンのグローバルERPソフト「IFS Applications」を用いたクラウドサービスにより、グローバルでの設計・製造にかかわる情報の一元管理や、業務の見える化・効率化を実現するシステムを構築している。

 NKCは、ベアリング・リテーナー、コンベアおよび自動制御装置、住宅関連製品、各種金属プレス加工品などの製造販売を行う企業。自動車製造のための搬送設備や自動制御装置事業を行う輸送機事業部は、受注の際、納期・製造コスト・製造要員の負荷などをまず本社にて検討し、製造拠点を日本・米国・中国の3拠点、あるいは海外の協力会社のいずれかに決定する。

 また製品の設計は日本・米国・フィリピンで行うほか、海外の営業拠点はタイ、インド、インドネシアなど13拠点にわたり、1つの製品に関する設計の進ちょく状況や、製品ごとの部材調達状況、製造進ちょく状況の見える化などが課題になっていたという。

 こうした状況を改善するために、NECでは、「IFS Applications」のクラウドサービスを活用し、案件ごとの設計・製造プロセスに必要な関連情報をデータセンターへ集約して一元管理することで、設計から製造・出荷にかかわる業務の見える化を実現。協力会社を含む海外各拠点の担当者と日本との、情報共有の効率化・早期化に貢献したとのこと。またデータセンターを利用しているので、セキュリティの確保と、万一の災害の際の事業継続性も実現しているとした。

 なおNKCは、見積もり情報、設計図面・仕様書・部品表などの製品技術情報を管理するNECのPLM(製品ライフサイクル管理)ソフト「Obbligato III」を導入しており、この設計情報を「IFS Applications」と連携させることで、見積もりから受注・設計・製造・出荷までの一連の業務を、世界中のあらゆる拠点で把握可能となった。

(石井 一志)