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NTTドコモ、物理サーバーを効率よく制御するサーバー管理機能~OpenStackの最新版に標準機能として導入

 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下、NTTドコモ)は、クラウドサービスの応答時間を最大50%短縮するサーバー管理技術を開発したと発表した。NTTドコモではこの技術を、さまざまなサービスへ応用できるようにするため、OpenStack Foundationへソースコードを提供。オープンソースIaaS基盤ソフト「OpenStack」の最新版「Grizzly(開発コード名)」へ、標準機能として導入されたという。なお、Grizzlyは4月4日より公開されている。

 今回開発したサーバー管理技術は、OpenStack上で、物理サーバーをサービスごとに直接割り当てられるようにするものである。

 現在のクラウド環境では、サーバー仮想化技術を利用するのが一般的だったが、これによってCPU負荷、ディスクアクセス、ネットワーク遅延が増大し、サービスの応答時間が遅くなる課題があった。今回開発された技術では、サーバー仮想化技術を利用せず、物理サーバーを直接クラウド基盤上で利用可能にすることで、一般的なクラウドサービスの応答時間を約10%~50%改善できるという。

 また利用状況に応じて、仮想サーバーと物理サーバーのクラウド基盤を切り替えできるほか、仮想サーバー向けのOpenStack APIとの互換性も保たれているので、これまで仮想サーバーの制御に利用していたソフトを変更することなく、物理サーバーの制御を行える点もメリットとのこと。

 また、これによって、OpenStackのスケーラビリティを活用した数百台規模の物理サーバー管理を実現しており、多数のサーバーに対して同時にOSのインストールやアップデートを行えるとしている。

(石井 一志)