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ソフトウェアAG、ビッグデータ向け製品のビジネス戦略を発表

米Terracotta社のインメモリ・ソリューションを本格販売へ

 ソフトウェア・エー・ジー株式会社(以下、ソフトウェアAG)は、今年1月から国内で本格的に販売開始した米Terracotta社のビッグデータ向け製品について、3月14日に記者説明会を開催した。

 ソフトウェアAGが販売開始したTerracotta社の製品は、ビッグデータ向けインメモリ・ソリューション「BigMemory」。同製品は、数百テラバイトのデータをインメモリに格納することで、超高速アクセスを実現するソリューション。これにより、リアルタイムのビッグデータアプリケーション向けの分散型インメモリ・ソリューションを簡単に構築することができる。

ソフトウェアAG 代表取締役社長の須﨑弘一郎氏
ソフトウェアAGがフォーカスする4つの領域

 ソフトウェアAG 代表取締役社長の須﨑弘一郎氏は、Terracotta社製品の販売を本格化する狙いについて、「当社では、今年以降の新たな事業戦略として、データ領域に向けたビジネスに注力することを掲げている。そして、この戦略を支える4つの柱を設定した。『ビジネス・プロセス』『インテグレーション』『ビッグデータ』『トランザクション』の4つである。そのなかで、『ビッグデータ』領域の中核製品を担うのがTerracotta社のインメモリ・ソリューションになる」と述べている。

米Terracotta社 CEO 兼 Software AGグループ執行役員のロビン・ギルソープ氏

 次に、米Terracotta社 CEO 兼 Software AGグループ執行役員のロビン・ギルソープ氏が、「BigMemory」を中心とした同社のインメモリ・ソリューション戦略について説明した。「当社は、世界で最も広く利用されているインメモリ・ソリューションを提供している。当社のソリューションはソフトウェアとして提供され、汎用のサーバー上で利用することができる。これにより、現在、世界190か国に210万人以上の開発者が存在し、250万以上のサーバーで利用されている。さらに、250万サーバーのほとんどがフォーチュン500、またはグローバル1000の企業である」という。

 「当社の扱うすべてのソリューションは、超高速・超高性能・超大規模、そして最速のレスポンスタイムを実現するために、インメモリ技術にフォーカスしている。例えば、ハードディスクとインメモリの処理速度を比べると、1日と1秒ほどの違いがある。このインメモリ技術を活用した当社のコア製品となるのが『BigMemory』である。同製品は、インメモリで単にデータを高速処理するだけでなく、エンタープライズの企業や組織に求められるさまざまな機能を実装している点が大きな特徴だ。重要なデータをインメモリで処理するために、高い信頼性、障害耐性、復旧可能性、一貫性を実現している」と、ギルソープ氏は同社のインメモリ・ソリューションの強みを訴えた。

 また、ギルソープ氏は今後の製品戦略にも触れ、「最新のインメモリ・ソリューションとして『In-Genius』という製品を開発した。この新製品は、業界初のスケーラブルなインメモリでのアクションが可能なインテリジェンスなソリューションとなっている。具体的には、大容量のデータを高速で保存し、利用可能にするだけでなく、遠隔地からのデータを収集し、そのデータのパターン付けや分析を行って、遠隔地にあるモバイルデバイスのアクションを起動させることができる。出荷開始は、今年の第3四半期を予定している」との計画を明らかにした。

米Terracotta社 アジア太平洋地域 副社長のグライアム・マッカラー氏

 日本市場に向けた販売戦略について、米Terracotta社 アジア太平洋地域 副社長のグライアム・マッカラー氏は、「日本は、当社のインメモリ・ソリューションにとって、非常に重要な市場と考えており、今後、戦略的なパートナーを模索していく。販売は、直販とパートナー販売の2つのモデルを導入する予定で、特にチャネル、SI、クラウドでの販売に注力する。このほか、OEMでの提供も計画している」との方針を述べた。「日本市場でターゲットとなる主な業界は、金融、小売り、通信、オンライン、eコマース、物流などを想定している。さらに、これらの業界にとどまらず、大量に保有している情報を、リアルタイムに活用したいというニーズをもったさまざまな企業から、新しい引き合いが生まれることを期待している」と、日本市場でのビジネス拡大に意欲を見せた。

(唐沢 正和)