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AWS、映像ファイルを異なる形式に変換するクラウドサービス「Amazon Elastic Transcoder」

 米Amazon Web Services(AWS)は29日(米国時間)、異なるフォーマット間で映像ファイルを変換(トランスコード)できるクラウドサービス「Amazon Elastic Transcoder」を発表した。日本の東京リージョン(データセンター群)を含む6つのリージョンで利用できる。費用は変換する映像ファイルの時間に応じて課金される仕組みで、東京リージョンの場合、HD解像度(720p以上)が0.036ドル/分、SD解像度が0.018ドル/分。変換にかかる時間は、映像ファイルの長さ(時間)の1/3程度という。

 「Elastic Transcoder」は、映像ファイルを異なるフォーマットに変換するサービス。よく使われるデバイス向けには事前定義されたプリセットを提供しているため、各デバイス向けの正しい設定や出力フォーマットを探す必要はなく、スムーズに変換できるという。また、特別なビデオサイズやビットレートを指定することも可能なため、ユーザー個々の事情に応じた変換環境も作成できるとのこと。

 加えて「Elastic Transcoder」では、負荷によって自動的にスケールアップ/ダウンを行うほか、変換パイプライン(Transcoding Pipeline)機能により、ユーザーは複数のファイルを並行して変換・整理できる。これにより、報道機関がニュース速報用に「最優先変換パイプライン」を利用して変換したり、消費者発信型メディアがターゲットの異なるデバイス向けに高解像度、中解像度、低解像度の各パイプラインを利用して変換したり、といったことが可能になるという。

 出力フォーマットは、現時点でMP4コンテナタイプ、H.264ビデオコーデック、AAC(Advanced Audio Coding)オーディオコーデックに対応。変換作業はAmazon S3のバケットから入力を受け取って行われ、生成されたファイルもS3バケットに書き込まれる。入力と出力には同じバケットを使用することも、別のバケットを使うことも可能だ。リージョンをまたいだ出力場所の設定も可能だが、別のリージョンで変換したファイルを受け取る場合は、通常のAWSのデータ転送量金がかかる。

 なお、このサービスにもAWS無料利用枠が設けられているので、SD解像度の変換を20分、あるいはHD解像度の変換を10分、無料で利用可能とのことだ。

(石井 一志)