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ポリシーに準じない“隠れBYOD”の存在が脅威に~IDC調べ
国内BYOD利用実態調査結果
(2013/1/17 12:37)
IDC Japan株式会社は17日、国内BYOD(Bring Your Own Device)利用実態調査結果を発表した。国内BYODの利用状況の調査(2012年11月実施)を下に、BYOD導入率/導入課題/メリットとデメリット/生産性向上などについて分析したもの。
なお、BYODとは「従業員の私物のモバイルデバイス(スマートフォン、タブレット、PC、携帯電話)を企業、教育機関、官公庁、自治体のシステム、あるいは契約しているクラウドサービスにアクセスし、企業が利用ポリシーに準じて認めた従業員が業務で利用すること」で、「企業が業務において、私物端末の使用を許可しない状況で従業員が使用するケース」と「BYOD利用規定を定めないで使用するケース」を“シャドーIT”と定義している。
調査結果によると、BYOD/シャドーIT利用率は、スマートフォンが29.2%、タブレットが19.3%、モバイルPCが19.6%、携帯電話が39.1%となった。シャドーITの割合はそれぞれのデバイスにおいて、BYODの約6割から8割を占めており、シャドーITの存在は大きいとする。
従業員規模別では、BYOD導入率/シャドーIT利用率は従業員規模と負の相関があり、従業員規模が大きくなるほど導入率は低かった。産業分野別では、BYOD導入率/シャドーIT利用率の高い業種は流通/小売/卸売、一般サービス、建設/土木で、低い業種は金融、製造、自治体/教育だった。
また、BYOD/シャドーITで使用される各デバイスについては以下のように分析する。
国内スマートフォン市場のBYOD/シャドーITのユーザー数は2011年に53万1000人、2016年には446万9000人と、携帯電話に次いで多くなる。
国内タブレット市場のBYOD/シャドーITのユーザー数は2011年に19万4000人、2016年には304万人。2011年から2016年の平均成長率は73.5%と、4種類のデバイスの中で最も成長が見込める。
国内モバイルPC市場のBYOD/シャドーITのユーザー数は2011年に33万6000人、2016年には349万9000人で、モバイルPCは業務用アプリケーション/社内システムへのアクセスなど、4種類のデバイスの中で最も業務使用率が高くなる。
国内携帯電話市場のBYOD/シャドーITのユーザー数は、2011年に140万3000人、2016年に522万3000人と、4種類のデバイスの中で最も多くなる。
これらをまとめると、1ユーザーで複数のデバイスを使用する場合を考慮した場合、国内BYOD/シャドーITユーザー数は、2011年の192万人から2016年には1265万人まで拡大すると見ている。2011年~2016年の年間平気成長率は51.5%と高く、特にシャドーITは急激に増加するという。
「BYODは私物端末の業務利用にとどまらず、企業における働き方の大きな潮流となっている。これはITのコンシューマ化の1つであり、特にシャドーITの存在は無視できないほど膨れあがっている。企業経営者はBYODという事象をどのようにとらえるか、その岐路に立たされている」(IDC Japan)。