ニュース

NEC、横浜銀行のタブレットを活用したシンクライアントシステムを構築

 NECは、横浜銀行に対し、情報セキュリティ強化と渉外担当者の利便性向上などを目的に、3500台の行内OA端末と750台のタブレット端末を利用したシンクライアントシステムを構築した。行内では、タブレット端末をシンクライアント端末として業務に利用。行内・行外で同一のタブレット端末を利用する先進的な事例となる。シンクライアントとタブレットの展開を完了した後、11月から全面的に稼働を開始した。

 新システムでは、NECの仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter」を全店に導入。データを端末に保存しないことで高いセキュリティを確保するとともに、利用者のPCをそのままデータセンター内のサーバー上に仮想化することで、既存の業務アプリにプログラム改修を加えることなく運用を開始できたという。

 1人で1台のPC環境を利用する「専用仮想PC方式」と、複数人で共通のPC環境を共用することでサーバーリソースを節約できる「共用仮想PC方式」を併用。これにより、シンクライアント端末4000台に対して3500台の仮想PC数に集約し、投資コストを抑えた。

 一方、個人顧客向けに投資信託などの金融商品を販売する渉外担当者にタブレット端末「VersaPro タイプVZ」を配布。タブレット端末は外部接続専用の仮想PCサーバーへ接続しシンクライアント環境で使用することで、外出先でも安心・安全な業務システムの利用を実現。

 渉外担当者は、外出先から顧客情報の参照や業務システムの活用が可能。従来営業店に戻ってから作業していたシミュレーション作成などをその場で顧客に提示できるため、サービスレベルが向上。業務システムの利用時には、利用ログがサーバー上に保存されるため、従来紙資料の持ち出し時に必要だった上司承認を省略し、業務を効率化できたとする。

 タブレット端末と仮想PCサーバーの画面転送プロトコルにはICAを採用。XenDesktop製品と組み合わせることで、狭帯域ネットワーク環境においても快適な操作性を実現した。

(川島 弘之)